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自然体験とアナログ時計の価値



都会に自邸を置きながら、カントリーサイドにも別荘を持ち、2拠点生活を送るマッキーさん。都会では、仕事を始め、多くの友人たちと遊んだり、月に一度程度行うDJプレイなどのナイトライフを楽しんだりしている。一方、カントリーサイドでは、バックカントリーなど、趣味と実益を兼ねた自然との触れ合いを行っている。

「都会6割:フィールド4割がベスト」としながらも、なかなか理想通りには生活できないというマックスさん。ベンチャー起業家であれば、デジタルデバイスを駆使して、無駄がなく効率的な時間活用をしていそうだが。

左は「マリンマスター 1965 メカニカルダイバーズ 現代デザイン SBEN007」[右]の基となった、1965年に誕生した国産初のダイバーズウォッチ。

左は「マリンマスター 1965 メカニカルダイバーズ 現代デザイン SBEN007」[右]の基となった、1965年に誕生した国産初のダイバーズウォッチ。


「ルーズな面もありますし、すべてが思いどおりというわけではありません。ナイトライフ明けの日などは、ついだらけてしまうこともありますよ。

しかも、スマートフォンなどのデジタルデバイスは罪深いですよね(笑)。これひとつあれば、メールで仕事をしたり、動画を楽しんだり、ゲームをしたり、SNSにふけったりと、なんでもできてしまいます。

都会では優秀な道具ですが、カントリーサイドでは誘惑そのもの。いかにデジタルから離れられるかというのも大事です」。

左はモータースポーツ好きの若者をターゲットに開発され、1972年に発売されたアーカイブモデル。時計マニアの間では、セイコー歴代クロノグラフの最高傑作と呼ばれる。

左はモータースポーツ好きの若者をターゲットに開発され、1972年に発売されたアーカイブモデル。時計マニアの間では、セイコー歴代クロノグラフの最高傑作と呼ばれる。


自然のなかに身を置く際には、俗に言う「デジタルデトックス」の意識もあるそうだ。

「自然に戻ると時間のことを忘れちゃう(笑)。自然のバリューというのは、実はリスクがあるというところ。レジャーとして楽しむとしても、常に生命の危機と背中合わせ。完全に安全だったら、そのバリューは薄まってしまう。それを管理するのが時間です。リスクのなかで安全を担保するには、時間をいかに管理するか。アナログの機械式時計は、そうした中での有用性は高いと思っています」。

実際、冒険家のなかには、デジタルデバイスと同時にバッテリーなしで駆動する機械式時計を必ず所持するという人もいると聞く。いざというときの相棒としてのデジタルと対になるアナログ時計を持つ意義は大きい。

鑓野目純基=写真

鑓野目純基=写真


「自然とつながることで体感できる瞑想的な“フロー状態”。これを味わうことができるのが、自然体験のメリットだと僕は思っています。それを大好きな日本の自然のなかで味わっていただくために、カムイのサービスをスタートしたわけです。都会の喧騒を忘れ、そして、時間を忘れてフロー状態を楽しめたら最高ですよね」。

フロー状態に入るために、毎朝欠かさず瞑想をするというマックスさんの自身の体験から、この意義を強く感じているそうだ。



「かつて、スマートフォン持ち込み禁止の音楽コンサートに行ったことがあります。なんだか神秘的で非常にいい体験でした。デジタルから一旦離れるのは有意義だと思います。

極論すれば、機械式時計とアナログコンパスの2つでフィールドに出るのが、デジタルから離脱して自然を楽しむいい方法なんでしょうね。でも、ハードルは高そうですが(笑)。

都会で仕事をするにも、自然と触れ合うにもバランスが大事。自然に触れ合ってメンタルやフィジカルへの好影響を感じながら生活のバランスを取る。その魅力を伝えたい」。

価値を認め、意義にも共感するセイコーの機械式腕時計を纏う起業家、マックス・マッキーさん。日本の自然と触れ合う魅力を世界に発信するチャレンジを日々続けていく。
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山本 大=写真 松平浩市=スタイリング 髙村将司=文

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