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憧れの生活は縄文人。夢はウェルビーイングの循環



井浦が思う理想的なウェルビーイングは、人から人へ伝播していくということ。

「誰かのウェルビーイングになるためには、自分がウェルビーイングでいなければという思いがあります。

自分が心身ともに健全でないと、ほかの誰かに良い影響を与えることができないので、まずは自分自身の心が潤っていて体も健全であることを心掛けています。

そしてその良好な状態をたくさんの人に自然とシェアすることで、ウェルビーイングの輪が連鎖していくということが理想です」。

最も理想的なウェルビーイングな生活を送る人について訊くと、いかにも歴史や古代文化に一家言をもつ井浦らしい答えが返ってきた。



「圧倒的に縄文人です。縄文人こそ最強のウェルビーイングの人だと思います。一万年以上続いた時代を作った人たちで、その間争いがなく、人と人が助け合いながら自然と共生し、自然の中に恵をもらって、そこに対して敬意を表して、独自の文化を創出し、営みが生まれていたわけですから。

遺跡や博物館などを巡っていると、縄文時代のカルチャーを知れば知るほど、今の時代のお手本のような、人の暮らしや営みを垣間見えます。

地球上では戦争や紛争が起きていたり、インターネットの世界ではSNSでのヘイトが当たり前にある時代。だからこそ、人と人がどのようにして助け合いながら暮らしていくのかということが大事になると思っています。

日本のみならず世界の歴史を見渡すと、時代が終わるときというのは、すべて争いによって終わり、次の権力者が塗り替えていく、その繰り返しです。だから数百年という短期間で終わってしまう。

例えばエジプトや中国など、圧倒的な権力を保持していた王がいた時代は数千年という歴史がありましたが、それは人権などがない、暴力による支配でした。



一方、縄文時代はどうでしょう。一万年以上、奴隷制度などなく、みんなで共存しあって人と人が助け合いながら平和な生活を営んでいました。僕がここで言いたいのは、当時の生活に帰ろうということではありません。

今こそ縄文人たちの精神性やカルチャーを学んで、現代という便利な暮らしのなかに、彼らの習慣や文化、サスティナビリティを取り入れることで、豊かな世の中にしていきたいということです。

そういった営みが循環していくとこで、人も暮らしも自然も地球との関わり方も、すべてがウェルビーイングになると信じています」。

井浦 新が2024年に挑戦したいこと!


横山泰介=写真 上野健太郎=スタイリング 山口恵理子=ヘアメイク オオサワ系=文

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