チャレンジし続けることが人生を豊かにする
芝居にプライベートにと忙しい日々だが、2023年6月には所属事務所の社長に就任。同じ芸能界とはいえ、まったく違う、どちらかといえば裏方の仕事だ。
芝居が趣味というほど仕事に打ち込んでいる小栗さんが、なぜ社長業に踏み出そうと思ったのか。
「実は30歳ぐらいからずっと会長に、『社長になれ』と言われていました。ただ、やりたいこともあったので35歳のときに『まだ待ってほしい』と伝えていたんです。だけど40歳になったので、そろそろいいかなと。
まぁ、今は名ばかり社長で、マネージャーと話したり、ほかの俳優の現場に顔を出して挨拶するぐらいのことしかやっていないので、生活は以前とあまり変わっていません。だけど会長も高齢ですし、完全に引き継ぐことになったら、役者の比率も考えないといけないだろうとは思っています」。
本人は「名ばかり社長」と言うが、俳優や芝居、芸能界など、社長になった自分にこれから何ができるのかを大局的に考えているのも、小栗さんの凄さだ。
「例えばハリウッドでは主役以外は、みんなオーディションで役を勝ち取っていきますが、日本はオファースタイルだから、どうしても俳優に甘えが出てくる。
一方で日本の芝居は大衆娯楽から始まっているので、芸術としても、文化としても認められていない部分もあって。事務所の影響力も大きいし、思うように活動できないというジレンマを持つ俳優もいる。
なかなか難しいことではありますが、こういう風潮を少しでも変化をさせていければと思っています」。
俳優としての地位を確立しても、現状に甘んじず、新たな世界を目指す小栗さん。その原動力はどこから来ているのか。
「ひとつは、45歳までに世界のどこにいても仕事をできる人になりたいと思っているからです。それを実現するための時間は、あと4年しか残っていませんから。
もうひとつは僕の周りを見ても40歳ぐらいで第二の人生をスタートしている人が多いこと。今の時代80歳まで生きるとしたら、これまでの人生と同じ長さだけ僕たちは生きなくてはいけない。
これまで生きてきた怒涛の40年を振り返ったときに、ただ安定した今の生活をあと40年続けるなんて、僕は耐えられない。
あと40年もあるのだから、挑戦していかなかったら、これからの人生、楽しくないと思うんです。だからこそ僕はこれからも挑戦していきたいですね」。
小栗 旬が2024年に挑戦したいこと!