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2023.12.21

ファッション

スニーカー界に革命を起こしたナイキ「エア マックス 1」。歴史を作った理由と今なお人気の秘密 

※記事内のアイテム写真の一部は、過去のオーシャンズアーカイブからのイメージ写真であり、現在は販売されていない可能性があります。

※記事内のアイテム写真の一部は、過去のオーシャンズアーカイブからのイメージ写真であり、現在は販売されていない可能性があります。


スポーツ&ファッションシーンを彩るスニーカーの名作は数あれど、ナイキの「エア マックス 1」ほどレーゾンデーテルが強いモデルはないかもしれない。

昨今のハイテクスニーカーやダッドスニーカーの熱狂的なブームも、エア マックス 1の代名詞「ビジブルエア」をはじめとする革新的テクノロジーが発端と言われる。

そんなスニーカーブームの源流とも言えるエア マックス 1にスポットを当て、機能性やデザインのほか人気モデルについても解説する。

【写真8点】「ナイキの“エア マックス 1”」の詳細を写真でチェック

ナイキのなかでも人気の歴史的一足


エア マックス 1は、1987年にナイキが製造・販売したランニングシューズだ。

ナイキのシューズと言えばソール内部に“空気(エア)を注入する技術”が有名だが、これが初めて実装されたのは1970年後半のこと。

航空宇宙エンジニアのフランク・ルディによる独創的なアイデアから生まれたエアクッションシステムは、前例のないユニークな構造ではあったものの、踵に重心が乗った際にエア圧の逃げ場がないという問題を抱えていた。



ところが1987年にデビューしたエア マックス 1とともに、このシステムは一躍進化を遂げる。ソール内部のエアを外から見えるようにリデザインし、それによってエア圧を適度に逃すシステムに変貌したのだ。

天才デザイナー、ティンカー・ハットフィールド氏発案のビジブルエアのおかげで、エア マックス 1はスニーカー市場で大成功を収めたのである。

この歴史的作品は、ヒット作の多いナイキにとっても特別なもの。初代のエア マックス 1が発売された3月26日は2014年からエアマックスデーに認定され、ファン垂涎のスペシャルモデルがリリースされている。


エア マックス 1の特徴について

スニーカー界に革命を起こしたエア マックス 1。この不朽の名作の注目すべきポイントは、大きく分けて3つある(下記の表を参照)。

まずはエア マックス 1のアイデンティティであるビジブルエア、次に機能性とデザイン性を高い次元で両立したアッパー、そしてランニング時の快適性を支えるアウトソールだ。
ビジブルエア:ソール内部に注入したエアを可視化したデザイン
アッパー:メッシュとスエードで構成されたアッパー
アウトソール:4つのパーツから成るグリップ力抜群のソール

エア マックス 1の特徴①
外からエアが見えるビジブルエア



天才デザイナー、ティンカー・ハットフィールド氏の画期的アイデアは、パリにあるポンピドゥーセンターの建築デザインからヒントを得たものだという。その“窓から見えるエア”、すなわち[ビジブルエア]を装着することにより、エアバッグ内の圧が適度に拡散させたのだ。

かくして従来のエアクッションシステムが抱えていた、踵に重心が乗った際にエア圧の逃げ場がないという課題が解決され、エア マックス 1は極めて高い衝撃吸収性と反発性を実現。また斬新な見た目も相まって、大人気を博した。

エア マックス 1の特徴②
シンプルさと立体感、テクスチャー感を兼ね備えたアッパー



エア マックス 1のアッパーには、主にメッシュとスエードが採用されている。

このふたつは優れた軽量性と通気性を両立する素材として他モデルにも用いられるが、1987年に登場したエア マックス 1はその先駆けといえよう。

軽快かつ快適なランニングを叶えるとともに、異素材を巧みに構成することで立体的で斬新なスタイリングを表現。なかでもビビッドなカラーを使った2トーンアッパーは、ストリートの大定番として名高い。

エア マックス 1の特徴③
デザイン性と機能性を兼ね備えたアウトソール

 

ランニングシューズに位置付けられることからもわかるように、アウトソールの優れた機能性も見逃せないポイント。

つま先部、前足部、中足部、踵部と4つのパーツに区分されており、それぞれに適したトレッドパターンが刻まれているのが見て取れる。

そのため、路面状況やランナーの姿勢を問わず優れたグリップ力を発揮。また、各パーツをくっきりと色分けすることで、ビジュアル面でも秀逸なデザインとなっている。


エア マックス 1とエア マックス 90の違い

1987年生まれのエア マックス 1と、1990年デビューのエア マックス 90。似ていると言われる両者だが、実際に比較するとずいぶんと違いがある。

エア マックス 1

エア マックス 1


エア マックス 90

エア マックス 90


例えば、ビジブルエアが剥き出しの初代“1”に対し、エアマックスシリーズ3代目の“90”では周辺をTPUパーツでカバー。

複合素材で構成されたアッパーサイドも相まって、個性を主張しつつランニングシューズとしての性能が底上げされている。


まとめ

巷でヒットを連発するハイテクスニーカーやダッドスニーカー。その源流とも言えるのが、ナイキのエアマックスシリーズであり、さまざまなバリエーションで世界中のスニーカーファンを虜にする。

ただその反面、シリーズが多岐にわたるあまり、「どのモデルがいいの?」という悩みも付きまとうはずだ。そんな時はぜひ、数々の名作の源流とも言えるエア マックス 1を試してみてほしい。

※記事内のアイテム写真の一部は、過去のオーシャンズアーカイブからのイメージ写真であり、現在は販売されていない可能性があります。

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