かつては「売れない色」とさえ言われていたグリーンダイヤルの時計が、今注目を集めている。いざ着けてみれば、その効能効果は新鮮、万能、上品と三拍子揃う。日本が誇るセイコーの名品がこの色を纏い、揺るぎない存在感を見せつける。
セイコー プロスペックスが持つグリーンの絶対的価値
グリーンのダイヤルは、目下、時計界を賑わす注目のカラーである。
白・黒・シルバーに続く色としてブルーが浮上したのち、にわかに注目を集めることとなった。外装のクオリティが向上した結果、ユーザーのダイヤルへの意識も変わってきたのだろう。
もちろん国産時計の雄であるセイコーもまた、群雄割拠するカラーダイヤル戦線に飛び込む格好となった。
「アルピニスト SBDC091」源流は、1959年に誕生したセイコー スポーツウォッチの原点「ローレル アルピニスト」。95年に本作の初代が世に出たのち、改良を重ね、第三世代として2020年に登場したロングセラー。
セイコーにとってグリーンは由緒ある色で、過去にもいくつかの名作で採用されてきた。例えば、1995年に登場した「アルピニスト」。
アウトドアユースを想定したこの時計が、「売れない」と噂されたグリーンで人気を博し続け、今も第三世代へと進化している。
ほかにも、70年代に見られたカットガラス風防の「ロードマチック」などは、父親が着けていた、なんて人がいるかもしれない。
「1968 メカニカルダイバーズ 現代デザイン GMT SBEJ009」1965年に国産初となるダイバーズウォッチを完成させたのちの68年にリリースした「メカニカルハイビート300mダイバーズ」の外観を範に取って現代的にリファイン。
腕元の変化球と思われがちなグリーンだが、それ以上に特有の効果効能を持つ。ほかにない新鮮さ、中間色として何にでも似合う万能さ、そして、漂う上品さだ。
さまざまなオケージョンでの装いを一段高めてくれるだけでなく、ここで紹介するモデルは、高品質なだけに実用面でも申し分ない。
「スピードタイマー ソーラークロノグラフ SBDL107」1969年、垂直クラッチ機構を搭載した世界初の自動巻きクロノグラフ「1969 スピードタイマー」をはじめとするセイコー クロノグラフの血脈を継ぐ最新版はソーラー仕様。
前述した「アルピニスト」を筆頭に、国産初の快挙となったダイバーズ「メカニカルダイバーズ」や名作クロノグラフ「スピードタイマー」の末裔たち。
歴史あるセイコーウオッチが有する価値を、深みのあるグリーンダイヤルがさらに高めてくれるはずだ。
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