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「とにかく前に進もうという気持ちだけです。辛いことが一生続くわけではないから、とりあえずここを乗り越えようって。

例えば今年の春に初めて挑戦した舞台も怖かったのですが、本番が終わるまでの間はせいぜい1カ月半くらい。人生のうちのたったの40日くらいなら頑張れるかなという思いが、チャレンジする要因のひとつになりました。

あとは好奇心。これを乗り越えたらどんな気持ちになっているんだろうとか、どんな出会いが待っているのかなっていう。もちろん、チャレンジして何の手応えもなかったときもありますが、少なくとも経験したことは自分にとってプラスになっているので後悔することはありません」。



それまでのイメージを変えるため、一昨年髪を切ったことも大きなチャレンジの一つだった。

「ファンの方から褒めていただいたり、自分の中でも精神的に軽くなった感覚があったので、それはそれですごく良かったんです。でも時間が経つにつれて、イメージを変えることでなく、お仕事に対する姿勢を見てもらうことが大事なんだろうなって。

これまで築き上げてきたものを見て、私のことを応援していただければそれで十分だと思いました。そこで髪を切って変化した姿でも、離れずに応援してもらえたら自信がつきますし、そこからさらに私も変わっていくし、変わっていきたい」。


 
そして「あ、そうそう」と思い出したように、学生時代のエピソードを再び披露した。最後の大会の一週間前に、メンバーのひとりが怪我をしてしまったときのこと。この経験も、今の自身を形成する大事なものであるという。

「ひとりいないとパフォーマンスの華やかさに欠けてしまうのと、技の難易度も減ってしまうので、こうなると優勝はおろかベスト8に入ることすら難しくなったんです。キャプテンだった私は、先輩方が築き上げてきた連続での決勝出場を果たせないなら出ない方がマシだと考え、大会への出場を辞退したいと先生に申し出ました。

すると『親御さんはもちろん、チームに入れなかった仲間や後輩など、これまで支えてくれた人たちのことを考えなさい。決勝に残れないとか、試合結果についてだけの浅はかな気持ちで考えてはいけない』って。それを聞いて、たしかにそうだなって。今もお仕事でくじけそうになった時にこの言葉を思い出します」。


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