古着のミリタリーアウターは、デニムやスウェットなどと同様、服好きの大人の男が嗜むべきファッションアイテム。だが歴史の深さに加え、種類も豊富でアイテムごとに年々マイナーチェンジをしているなど、初心者はとっつきにくいというのが正直なところだ。
そこで、まず抑えるべき定番4アウターをピック。ミリタリーウェアの造詣が深い古着店「ハレル」代表の加瀬善隆さんに、各モデルの特徴を説明をしてもらった。
▶︎すべての写真を見る 話を聞いたのはこの人 加瀬善隆●1978年生まれ。10代より都内の古着ショップにて研鑽を積み、2014年に自身のショップ「ハレル」をオープンさせ、現在はオンラインショップやイベント出店を主として行う。マニアから初心者まで堪能できるミリタリー愛あふれるセレクトが人気だ。
価格は年々高騰、狙いめは90s復刻ミリタリー
「古着のミリタリーウェア全体として、これまではアメリカ軍のものが人気でしたが、最近はヨーロッパ諸国を中心に色んな国の軍ものに注目が集まっています。全体的にアイテムの枯渇化が進んでいて、デッドストックではほぼ見つからないのが現状です。
例えば安価の象徴であったアメリカ軍のベイカーパンツは現在、コットン製であれば1万円を越えます。今回紹介させていただくベーシックアウターも、今後増えることはないので、早めに押さえておいて損はないでしょう」。
また、最近では「古着のミリタリーウェア」の解釈が拡大していると加瀬さんは語る。
「私たちの時代の古着のミリタリーウェアといえば実際に軍用として使われていたものという認識でしたが、今は軍に供給されていなかったものでも古着のミリタリーウェアと呼ばれています。
これは、90年代に古着ブームが起きた際、当時の人気ブランドがMA-1やM-65などをモチーフに”ミリタリー風”のウェアを量産していたことに起因します。その個体が現在、古着として多くのショップに出回り、20代を中心に人気を獲得しているのです。
例えばエンジやブラックのMA-1やM-65は、官給品ではなくファッションアイテムとして作られたもの。マニアの方たちにとって、それらは邪道と思われるかもしれませんが、私自身はミリタリー風もありだと思います。実際、ミリタリー風の方が、市場価値としては高いものもありますから。
ガチなミリタリー&ミリタリー風、それぞれの魅力を上手に取り入れて、ファッションを楽しむのが一番なのかなと。今回はアウターのなかでも、抑えていただきたい定番モデルを紹介します」。
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