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2023.11.24

ライフ

藤井隆行さんが愛用する「ハーマンミラー」のスツール。プロダクトに滲むデザイナーの人間性

高さは3種類で、ミディアムとラージはフットレスト付き。写真は前者。木部はウォルナット、ホワイトアッシュ、エボニー、金属部はブラス、サテンクローム、ブラックで展開される。φ350×H610mm  29万2600円/ハーマンミラー(ハーマンミラーストア 丸の内 03-3201-1820)

高さは3種類で、ミディアムとラージはフットレスト付き。写真は前者。木部はウォルナット、ホワイトアッシュ、エボニー、金属部はブラス、サテンクローム、ブラックで展開される。φ350×H610mm 29万2600円/ハーマンミラー(ハーマンミラーストア 丸の内 03-3201-1820)

「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは……
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マイケル・アナスタシアデスは、直線と球体を組み合わせた独特なバランスの照明が有名なデザイナー。

以前この企画で彼のポータブルライトを紹介しましたが、ダイニングテーブルとチェアなど、家具もデザインしているということを最近知りました。

僕が気に入って購入したのはハーマンミラーのスツール。ヨーロッパのデザイナーとアメリカンブランドの粋なコラボレーションです。

いろいろな要素が組み合わさったユニークなフォルムのスツールは、円形の座面とベースを、木材と金属の垂直なレッグがつなぐデザイン。すごく凝っているのに印象はミニマルで、どこに置いても溶け込んでくれるんです。

僕はスツール好きなので、我が家にはシャルロット・ペリアンやピエール・ジャンヌレなどのヴィンテージのスツールがいくつもありますが、そこに並んでもまったく浮かない馴染みの良さ。

オブジェとして美しいし、来客で椅子が足りなくなったときも活躍。さらに花瓶などを置くサイドテーブルとしても使えます。

この間、うちの奥さんはキッチンに持っていって、このスツールに腰かけて料理していましたね。とにかく実用品としても優秀なのです。

マイケル・アナスタシアデスはキプロス島生まれで、土木工学を学んでからインダストリアル・デザイナーになったというユニークな経歴。だから照明にしても家具にしても、ほかにはない絶妙なバランスが魅力です。

前回の照明の記事をSNSにアップしたら、本人からお礼のメッセージが来て驚いたのですが、そのあと新作の照明がどこで売っているか知りたくて問い合わせをしたら、「ヤマギワ(照明・家具を販売している企業)にありますよ」と丁寧な返信が。

まじめで誠実、温かみある人間性は、まさに彼の作るプロダクトに通じているような気がします。
藤井隆行●東京を代表するブランド、ノンネイティブのデザイナーで、ファッションからライフスタイルまで一貫したこだわりを持つ。「いよいよ秋本番。去年はナイロン製のテックウェアを多く身に着けていましたが、今年はウールの服でほっこりいきたいです」。
この記事は、オーシャンズ12月号のほんの一部。すべての特集は本誌でチェック!


竹内一将(Ye)=写真 町田あゆみ=文

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