災害や戦争を生き延びた当事者たちの願い
震災から12年が過ぎたいまも、年間20回に及ぶ取材や講演に応じる安倍さん。助かる命を増やしたい一心からだが、伝承活動は今後もまだまだ続ける予定だ。
「僕たち夫婦は、3.11の津波を生き延びましたけど、自分たちの失敗や反省をこれからの災害に活かして欲しいんです。戦争が終わって78年ですが、いまでも戦争の話をする人がいるでしょう?
それは、ただ過去のエピソードを話してるんじゃなくて、やっぱり自分たちの後悔を教訓に命を守ってほしいからだと思うんです。悲しいかな、人間はすぐ忘れてしまうので。僕たちも先輩を見習って、これからも伝え続けようと思っています」。
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今回のインタビューで安倍さんが強調したのは、普段からの防災意識。この一点に尽きる。
平時の行動の積み重ねこそが有事の命を救う。これ以上の備えはないことを肝に銘じたい。