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Q5.「タイパ」のために、取り入れている仕事術はありますか?

僕たちの会社では基本的にミーティングは30分単位、長くても60分です。1カ月に200本くらいミーティングを行っていますが、時間超過するのは3カ月に一度あるかないかくらい。なぜ時間通りに終わるかと言うと、アジェンダを事前に共有し、会議ではその確認と意思決定のみを行っているからです。雑談は冒頭の3分くらい。コミュニケーション不足というご指摘をいただきそうですが、僕たちの会社は働く場所が自由なだけであって、メンバー同士の交流は盛ん。

会社で契約しているシェアラウンジで一緒に働いたりもしますし、宿泊費と食事代などは会社持ちのワーケーションも月1回行っています。ワーケーションでは日中は各々で自由に働き、夜ごはんを一緒に食べたりと、海外や地方にいるメンバーともしっかりとコミュニケーションは取れています。



Q6.効率的な働き方について、影響を受けたり、参考にしたりした人はいますか?

思想的には、フィンランドの経営を参考にしています。フィンランドは幸福度の高い国として知られていますが、その要因は、ワークライフバランスやウェルビーイングを重視していることがあると思います。

一方、時間のつくり方は、行動経済学にまつわる書籍の影響が大きいと思います。よく言われることですが、人間の集中力が切れるのは45分を超えたあたりから。そういった論理を自分なりに解釈して、ミーティングなどの時間デザインに落とし込んでいる感じです。

Q7.経営者としてさまざまな世代の方と接している今瀧さん。時間の感覚にギャップを感じることはありますか?

大手企業さんですと、ミーティングの時間を最初から1〜2時間で設定されることが多いですね。しかし、僕たちの会社の考えやスタンスをお伝えするとご理解いただけます。なかには、「その時間のデザイン方法、参考になります」とおっしゃっていただいたこともありますね。



Q8.タイパを重視する世代とも言われるZ世代。なぜ今、時間対効果を求めていると思いますか?

Z世代は、タイパを重視している世代ではなく、タイパを重視せざるを得ない世代なんだと思います。タイパという概念自体はずっと前からあるものですしね。ではなぜZ世代がタイパを重視していると言われるか。それは、ITの進化によって時間をコントロールできるようになってしまったから。大学の授業もオンラインで受けられるし、動画や音声メディアは倍速で楽しめるようになった。秒数単位で時間を調整できるから、タイパを意識せざるを得なくなってしまったんです。 

そしてその要因はもう一つ、平均寿命が延びたこと。人生100年時代と言われる今の時代は、長く生きる分、細かく時間設計をしておかないといけない。Z世代が特殊なわけでなく、時代や環境の変化が著しい時代に生きているから、その影響を大きく受けているんだと思います。


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