“シックシンプル”な「501」のロールモデルは北野映画の傑作にあり
『あの夏、いちばん静かな海。』1991年公開。北野武名義で監督し た3作目の作品。随所に青を使用し たことが特徴で「キタノ・ブルー」 の原点ともいわれている。本作で初 めて音楽に久石譲さんが起用された。
トニー タイズサン ディレクターの清水泰さんは「何度観返したか覚えていない」と言うほど、映画『あの夏、いちばん静かな海。』の大ファンだという。
監督は北野武さんで、主人公・茂を演じた眞木蔵人さんの「501」スタイルこそシックシンプルの極みであると主張する。
「個人的な見解ですが、劇中の眞木さんは私物と思われる4〜5種類の『501』をはいています。
その中の一本が左側のヒップポケットに大きなダメージがあって、眞木さんの内面が滲み出ているのか、妙に色気が感じられる。ネルシャツなどの定番を合わせているだけなのにカッコいい。
ただ、当時は90年代特有の腰ばきが基本で、今のサーフスタイルと比べると野暮ったい(笑)。でもその野暮ったさといいますか、ありのままで飾らない、素朴な雰囲気こそが、色気の正体なのかと思います。
誰にでもすぐにマネできるので、シックシンプルなデニムスタイルを実践するのに最適な手法。とりあえず、内面から滲み出る色気うんぬんはそれからということで(笑)」。
| トニー タイズサン ディレクター 清水 泰さん 47歳 東京都出身。サーフィンとファッションをこよなく愛する、Mr.シックシンプル。自身がディレクションを手掛けるブランド「トニー タイズサン」も要チェック。taishimizu |