ノルケイン CEO ベン・カッファー
▶︎すべての写真を見る 老舗ひしめく時計大国でブランドをゼロからスタートアップし、成功に導いた「ノルケイン」CEOのベン・カッファーにインタビュー!
休日のFUN-TIMEや、“日本の時計シーン”について伺った。
子供たちが成長したら、家族でマッターホルンに挑戦するのが夢
「先日、和歌山へ行きました。日本滞在中は東京だけでなく、さまざまなエリアを飛び回っているんです」。
若きCEO、ベン・カッファーは多忙だ。時計絡みの質問として、もし一日が2時間増えて26時間になったら何がしたいかを雑談レベルで訊いた。2時間は、外出をしたり睡眠をとるにはちょっと短い中途半端な時間なのだ。
「仲間と一緒にブレインストーミング(ブレスト)をします。新たなこと、イノベーティブなことをやるために考える時間が欲しいです。あとブレストをすることで自分自身についても振り返ることができますから。
日常的にそこに時間を割くのは非常に難しいので、その2時間で実現させたいです」。
そんな多忙を極めるベンにとってのFUN-TIMEは、家族と過ごす時間。
「6歳の息子と3歳の娘と一緒に、近所の湖を1時間ほどかけて自転車で走り回るのが楽しいです。
それから友達と一緒に酒を飲んだりしながらわいわいする時間、あと私は以前サッカー選手だったこともあり、仲間と一緒にサッカーに興じる時間も自分にとっては大事なFUN-TIMEです」。
笑顔をたたえながら話す様子から、充実したFUN-TIMEを過ごしていることが垣間見える。さらに、「そうそう」と言いながら続ける。
「いつか家族でスイスとイタリアの国境にそびえる山、マッターホルンに登るのが夢です。というのも2016年に妻と一緒に登る約束をしてトレーニングを始めたのですが、ちょうどそのタイミングで妊娠が発覚して断念したんです。
ふたりの子供が20歳を超えたら再チャレンジしようと思っていますが、その頃の私は60歳間近なので、どうなっていることやら……(笑)」。
何事も挑戦する性格であるというベン率いるノルケインは、スイスで誕生した。時計の老舗がひしめく同国での新規参入は、かなりハードルが高い。
だが「やる」と決めた瞬間、持ち前のチャレンジ精神がむくりと頭をもたげた。
「私が生まれ育ったスイスには創業100〜200年の歴史ある時計企業が多くあり、機械式時計産業自体が非常に古く、かなり保守的で、産業の流れとしてどちらかといえば、機械式時計文化の過去を守ることが重視されてきました。
でも私は機会式時計文化を守るだけでなく、次の世代に新しい形で継承したいと思ったのです。自分なら風穴を開けられると思い、挑戦することに決めました」。
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