瀧川鯉斗(たきがわこいと)●1984年生まれのOC世代。地元・名古屋で暴走族の総長を務めたのち、17歳で俳優を目指して上京。アルバイト先でのちの師匠、瀧川鯉昇の独演会をきっかけに落語の魅力に取り憑かれ、以降、寄席通いが始まる。2005年より入門し、2019年には令和初の真打に。かつては、おじいさまから受け継いだスカイウェーブで寄席に通っていたことも。現在の愛車はBMW R 1250 GS。
上質な革ジャンでお馴染みの英国の名門ブランド「ジェームスグロース」。職人が手作業で作る極上の仕上がりで、バイク乗りにだけでなく、ファッション的にも支持されている。
そんな名門の一着に、このたび袖を通すのは、令和初の真打としてだけでなく、その麗しの容姿や、元暴走族総長といった背景でも注目を集める噺家・瀧川鯉斗。
話芸を極める噺家と、手作業を極める革ジャン職人と。話を伺うほどに、どうやらいろいとろ共通項はあるようで……。
バイク乗りに愛される名門「ジェームスグロース」
遡れば、1960年代のロンドン。エースカフェ周辺に、ロッカーズと呼ばれるバイク乗りたちが夜な夜な集っては、公道レースに興じていたという。
そんなカフェレーサー文化に欠かせないライダーズジャケット。1876年創業という老舗ジェームスグロースもまた、こうした背景のなか人気を博したブランドのひとつ。
一度は休眠するも、2016年に復活後、職人のハンドメイドから生み出される上質ライダーズとしての地位を新たに築き上げた。
このたび、名作の逸品に袖を通すのは、落語界においてはバイク好き、クルマ好きというのもさることながら、元暴走族というプロフィールも話題になる瀧川鯉斗。
革ジャンとは馴染み深い? と思いきや。
「普段、革ジャンを着てバイクに乗ることってないんですよ。やんちゃ時代も特攻服でしたので(笑)」。
なるほど、おっしゃるとおり。それでも、カフェレーサースタイルには憧れもお持ちだそう。
オールブラックのミニマルスタイリングにフィットするのがシングル仕立ての「ニュートロフィー」。上質なクルーネックニットとスラックス、チャックテーラーで素材感を変えて黒色を楽しむのも艶やかな高品質レザーを扱うジェームスグロースならでは。
「若い頃でも、革ジャンにハーレーを乗る先輩もいましたし、当時の自分から見ても“大人だな”という憧れの対象でした。
いろいろ物がわかるようになって、いいものを着てみるとこれは明らかに違う。ジェームスグロースがいいモノってことだけはわかりますね。若い頃ファッションで革ジャンは着ていましたが、それとはまったくの別物」。
「40歳目前の今も、“そろそろこんな方向性に行ってもいいのかな”なんて思わせてくれる迫力がありますね。カフェレーサーってお洒落なバイカーの方たちのもの、10代の頃の自分とは別世界と思っていましたが、実際に撮影していただいた写真を見てみると格好いいですね(笑)」。
今プライベートでは、BMWのGS 1250 Rを駆り、時には寄席に、時にはツーリングにとバイク趣味を謳歌しているそう。
23春夏から登場した最新シングルライダーズの「ニュートロフィー」。ミニマルなビジュアルはそのままに、袖丈のフィッティングなどが調整され、モダンな印象をアップ。着用はホースレザー。21万4500円/ジェームスグロース(グリニッジショールーム 03-5774-1662)
「原付に乗っていた時代からすると、ずいぶんと大人になりました(笑)。ジェームスグロースは、ぴったりと体にフィットしているのに、ガチガチに固いわけじゃなくて、柔軟性もある。若い頃のそれとは大違いです」。
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