キャンプ用品は普段から使い倒せ!
さて、お次は趣味グッズについて。
プライベートではキャンプが趣味だという辻さん。そこで使うさまざまなアウトドア用品は、防災でも「かなり使える」という。
カセットコンロやバーナーに加え、調理器具も同様。辻さんは自宅のキッチングッズのほとんどを普段使っているキャンプ用品に替えたんだそう。
「スキレットは蓋をすればパエリアができるし、メスティンは炊飯のほかに揚げ物もできる。鍋もダッチオーブンに替えました」。
家で練習した料理を、外でも試して、そこで得た反省点を活かしてアレンジ力を上げる。その繰り返しが、防災のスキルアップにつながるというわけだ。
「キャンプ用品はアウトドアシーンだけでなく、自宅でもバンバン使ってください。防災のスキルも、ダッチオーブンも育ちますよ(笑)」。
それ以外にも、ランタンや寝袋、カトラリー、テーブル、チェアなど、ほとんどのキャンプ用品が、震災時も活躍してくれると辻さん。アウトドア用の防水・防寒ウェアなども、もちろん有効だ。
「ひとつだけ使えないものを挙げるとすれば、テントですね。家の中はもちろん、避難所では張れるところがまずないですし、屋外でペグを打つにしても、地面が不安定になっている可能性が高いです」。
ちなみにキャンプ、すなわち趣味つながりで、ほかに使えるモノがあるか聞いてみると……
「強いて言うならゴルフボールかな。背中や脚、お尻などに、マッサージボールとして使うと癒しになります。これって避難生活が長引くほど大事で、私はゴルフやらないんですけど、ゴルフボールは避難バッグに入れています」。
運転中の防災対策もお忘れなく
ここまで自宅で被災した場合の準備について紹介してきたが、実際はいつ、どこで、地震が起きるかわからない。例えば、車の中で被災したら、どのように行動すべきなのだろう。
「乗車中に被災したら、まず道路の脇に駐車してください。サイドブレーキをかけてエンジンを止めたら、鍵をつけたままその場から避難してください。鍵をつけたままにするのは、警察や消防、自衛隊の方が車を動かせるようにしておくためです」。
ちなみに辻さんは、車の中にも避難グッズを常備している。その中身を紹介しよう。
・レスキューシート・懐中電灯・ランタン・小型ラジオ・簡易トイレ・寝袋・車内が暑くなってもOKなフリーズドライの味噌汁など これらを小さめのバックパックに詰めて、常時ラゲッジスペースに置いてあるそう。加えて、出かけるたびに必ず、運転席と助手席には水を用意しておくそうだ。
日頃から車を運転する人なら、今すぐ備えておくべきだろう。
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第1回 自宅の“備蓄水”、本当に足りてる?▶︎
第2回「風呂に水を溜める」はNG!▶︎
第3回 高くてマズイ非常食より「サッポロ一番 塩ラーメン」