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2023.09.20

イベント

「災害時にテントは使えません」防災のプロ・辻 直美さんが日用品の活用法を伝授!



国内外30カ所以上もの被災地へ赴いた経験を持つ、国際災害レスキューナース・辻 直美さんに聞く最新の防災テクニック。

今回は、日用品の備えについて。被災時に本当に役立つものは何か? ポイントを押さえて見直していこう。

教えてくれたのは……辻 直美さん●国際災害レスキューナース、一般社団法人育母塾代表理事。国境なき医師団の経験を経て、現在はフリーランスのナースとして活動。講演と防災教育を行いながら、要請があれば被災地にも出向く。国内外の被災地で数多くの実地経験を持つ、防災のエキスパート。

辻 直美さん●国際災害レスキューナース、一般社団法人育母塾代表理事。国境なき医師団の経験を経て、現在はフリーランスのナースとして活動。講演と防災教育を行いながら、要請があれば被災地にも出向く。国内外の被災地で数多くの実地経験を持つ、防災のエキスパート。


ブラックアウトに備えて明かりを確保すべし



まずは、必ず備えておくべき基本の日用品にフォーカスしていこう。ひとつ目は「明かり」。

「地震の後にブラックアウト(停電)が起きた場合を想像してみてください。日が暮れたら、家の中も外も真っ暗闇。月明かりなどで目が慣れてきても、窓のないトイレなどは、一切光が入りません。

経験上、普通の人なら、その状況に5分と耐えられないものです。だから、安いものでもかまわないので、懐中電灯は最低1人ひとつ用意しておきましょう。スマホをライト代わりにするのは、バッテリーの消費が激しいので、なるべく使わず、連絡手段として温存しておく方がいいでしょう」(辻 直美さん、以下同)。

ここで気になるのが、いざというときに備えて、懐中電灯をどこに置いておくかということ。辻さんの場合、枕元に1個、廊下に1個、リビングに1個、それぞれ常備しているそう。



「床に置くと、転んだり踏んだりする危険があるので注意してください。最近では、タッチするだけで明かりが点灯するものがあります。100円ショップなどでも売っているので、それを廊下やリビングの壁に設置しておくのも有効です」。

さらに豆知識をもうひとつ。

「最近は、LEDの懐中電灯がほとんどなので、部屋全体に明かりが広がるように作られていません。そこで、懐中電灯に水の入ったペットボトルをかざしたり、半透明のゴミ袋を被せたりするだけでも、じわーっと光が広がるのでおすすめです」。


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