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不動産投資のキモは「売らない」と決めること



現在までに100件以上の投資物件を購入してきた野口さんだが、屋久島の土地購入以外にもさまざまな事件や失敗があったという。

「経営していた不動産会社の社員が横領したり、コロナ禍でテナントの賃貸物件が大打撃を受けたり……。トラブルは尽きなかったですね。

飲食店の中には、コロナの影響で3年ほど家賃滞納が続いた物件もあって。今年になって多少は盛り返してきましたが、それでも業績的にまだまだ赤字です」。

これらの失敗を経て、野口さんは不動産投資で決めていることがあるという。

1つはキャッシュフロー。例えば、物件を購入しても、実際に家賃が入るようになるまでに数ヶ月かかることもある。そのため、投資の際に、まだ入らない家賃をあてにして返済計画を立てるとショートする可能性があるのだ。

売り上げと手元にある現金を把握する、キャッシュフローを重視するのは基本だという。

「もうひとつ僕の場合は、基本的に長期保有をすると決めたら、物件を“売らない”ということです。売ることを考えると、いつ売れば利益が大きくなるかとか、借金がなくなってから売った方がいいのではなど、いろいろと考えてしまい、買うことに集中できなくなります。

一方で売らないと決めてしまえば、考え方がクリアになる。副業で不動産投資をするならば、メンタルが安定するやり方を選択した方がいいと思います」。


さて、不動産投資を成功させた野口さんだが、ほかの事業でもさまざまな投資に挑戦し、多くの手痛い失敗をしてきた。

次回の失敗談も、ぜひ参考にしてほしい。

林田順子=取材・文 新澤 遥=写真

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