左の赤い機体も狭い場所で飛行できる小型ドローン。
というわけで、そんな萌美さんを推薦してくれたのは社長の高野 耀(あきら)さん。
「知的好奇心がとにかく強いですね。英語という強みもあるので、何かキーワードを挙げるとドローンの海外事情などを調べてくれます。
先日もドイツ製の最新ドローンのデモフライト会で、ドイツ人スタッフの方と英語で対等に意見交換をしていました」。
「僕は英語が全然ダメなので、素直に感動しました」と笑う高野さん。
さらに、込み入った難しい案件の会合に連れて行っても安心して見ていられるそうだ。
萌美さんが初めてドローンを飛ばした日。
「2022年の夏に立川でスカイピークでの社内研修を受けたときの写真です。ドローンの感度が想像以上に高くて、送信機のスティックを倒す加減と方向に慣れるのが大変。
とくに8の字を描く操縦が難しく、この日は一回しか成功しなかったので悔しさで終わりました」。
ちなみに、100g未満のドローンは原則、飛行許可承認が不要だが、それ以上はさまざまな手続きや承認フローに則ったうえで飛ばさなければならない。一例として高さでいうと、150mという高度制限があるが、一般的にはこの高さまで飛行が可能だという。
「それ以上の飛行をしたい場合についても、別途手続きが必要になるなどさまざまなルールがあります。弊社のオフィスは41階なので、150mなら大体これぐらいの高さですね」。
おお、意外と高いところまで飛ばせるのか。
ドローンの需要はさまざまな分野で急増中だ。萌美さんが自社のパンフレットを見せてくれた。
空撮や点検などの他に、農業、警備、物流などにも活用されているとのこと。
ビルの外壁点検を行うドローン。
点検業務についても高度化、効率化、自動化など、大手事業会社を中心に建設分野での新たな活用に向けた導入相談が増えているそうだ。
「農業分野では農薬散布に導入するケースが全国的に進んでいます。さらに、肥料の散布や受粉作業への活用、農作物の生育状況の管理への活用などにも注目度が高まっていますね」。
農業に革命を起こす存在となるか。
「警備の場合においても、事前に飛行ルートを設定しておけば、自動で巡回監視をする作業が可能です。屋内外で自動で離発着して、警備監視するような取り組みも始まりました」。
災害対策においてもドローンの素早い機動力による状況把握能力が強み。
なお、最も注目が集まっているのは物流業界への導入。たとえば、過疎地の人家にドローンで荷物を届けるという実証実験も行われた。
当初は軽いものしか運べなかったが、現在は約20kg以上の重量物を運べる機体や、約50km以上という遠方まで運べる専用機体なども開発されているそうだ。
輸送用のケースに遮熱素材を活用して温度管理をするなどの新たな取り組みも進んでいる。
しかし、高野社長によれば課題もあるという。
「実証実験や技術検証がいまだ多いのが現状です。これからは実証段階を超えて、社会で持続可能な形で成り立つ立つサービスとして形にしていくことが重要だと考えています。
だからこそ、検証で終わらせず、先進的な知見を体系化して広げていき、教育や人材育成をひとつの切り口として未来に向けた取り組みを進めたいですね」。
未来を見据えると子供たちへの啓蒙も必要だ。そのため、スカイピークでは小学校やイベント会場などを訪問し、体験型イベントも実施している。
ドローンに興味津々の小学生たち。
持ち前の好奇心で今後のドローン業界を支える萌美さん。最近はリサーチの仕事に加えて、マーケティング業務、資料やリリースの作成、セミナー・イベント運営なども担当している。ずいぶんお忙しいようだが、プライベートでの息抜きは?
「うーん、やっぱり体操ですね。一橋大学の現役生に混じって今も練習に参加しています。さすがに、自分の現役時代とかぶっている学生はいませんが、卒業後に継続的に行っているため、現役生とも交流があり、みんなウェルカムな感じで迎えてくれます」。
練習で前出の通称「フットカット」を華麗にキメる萌美さん。
ありがとうございました。ドローン、これからどんどん注目されそうですね。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
漢字はもう完ぺきでした。
[取材協力]スカイピークhttp://japandronelicense.com/