プロスケーターであり、都市計画家でもあるレオ・ヴァルスさんが提唱する「スケーターバニズム」と呼ばれるスケートボードフレンドリーな街づくり活動が行政をも動かし、禁止されていた場所を滑走可能にしただけでなく、改装によって縁石などの素材を強化し、傷に対する対策も講じた。さらに街のあらゆるところにスケートボード専用のデザインオブジェクトも設置。
そして今年の3月には、街にあるスケートボード禁止の看板が全て取り払われるまでになった。
この「スケーターバニズム」活動の一部始終は、昨年『
スケートボードを「拒絶」から「共存」へ 東京五輪前から行政と取り組むフランスの未来都市創造』で詳しく執筆させていただいているので、合わせてご一読いただけたら幸いだ。
看板の持つ意味
今年禁止サインは全て外され、緑の許可サインとボードと手に持つイラストに変わった。 カンファレンス「スケートボードでまちを変える-Welcome Skaturbanism-」より引用。
そんな彼が4月に来日し、「スケートボードでまちを変える-Welcome Skaturbanism-」というカンファレンスを開いた。
中身はボルドーにおいてスケートボードが非合法から合法なものへと変貌していく過程について話し、そこからアーバンデザインを担う日建設計NADの方々や、都市計画・都市デザインを専門とする大学の准教授の方など、さまざまな立場の有識者の方々とトークセッションを繰り広げるというものだったのだが、そこで興味深かったのが「看板」の話だ。
ボルドーでは、スケートボードを禁止する赤い看板があった頃は、多くの人がネガティブなイメージを持ち、怒って注意してくる人もいたとのこと。
ところが緑色の11時から20時までは滑走可能ですよ。20時以降は騒音被害を避けるためには手で持って歩きましょう。という看板に変わったら、それだけで街の人のスケートボードに対する印象が変わったそうだ。
こうして”認知”の問題である部分が大きいとわかったことが、公共の場所をどうやってシェアしていくのかを考えるきっかけになっていった。
以前は手で持って歩くイラストではなく、夜間の滑走を禁止するサインが張り出されていた。 カンファレンス「スケートボードでまちを変える-Welcome Skaturbanism-」より引用。
タクティカルアーバニズムとは!?
花崗岩は頑丈で音も静か。なおかつ移動もできるので最初の一歩にはピッタリ。日本にもこのようなベンチは数多くある。
だからといって、この事例を文化の違う日本にそのまま持ち込むのは無理があるだろう。
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