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2023.07.07

ファッション

“ゴアテックス以外”の防水透湿素材も最高だ。ノース、パタゴニア、モンベルetc.で厳選!



夏が到来しても、連日雨がパラついたり、降るのか降らないのかハッキリしない。そんなこの時季は、「防水透湿性」に特化したウェアが必要だ。

防水透湿性というと、まず思いつくのが「ゴアテックス」。だが、実はゴアテックス以外にもさまざまなブランドやメーカーからオリジナル素材が展開されている。

そこで今回は、ゴアテックス以外にどんな素材があるのか、防水透湿性ウェア探しの旅をしようと思う。

【写真14点】「ゴアテックス以外の防水透湿素材を解説」の詳細写真をチェック

まず、「防水透湿素材」とは?



「防水透湿素材」とは、文字通り、防水性と透湿性を兼ね備えた素材のこと。簡単にいうと、雨や水を通さないのに、汗などの体から発せられる蒸気を逃がしてくれる機能も持っているということだ。

透湿性、耐水圧(生地にしみ込む水の力を抑え込む性能)、通気性という3つの代表的なスペック差によって、生地の呼び名が変わってくる。

開発しているブランドやメーカーによって絶妙にスペックが異なり、求められるシーンに応じた防水透湿素材の生地がプロダクトに採用されている。

つまり、どのスペックが高い防水透湿素材で作られたウェアなのかを把握することで、今ほしいものがどれなのかを、明確な理由を持って決めることができるわけだ。

防水透湿素材の代表「ゴアテックス」とは?



そもそもゴアテックスは、防水透湿素材の商標を指す。防水性、透湿性、防風性に優れており、タフなところも特徴だ。

登山などのハードな条件下でも対応する安心のクオリティを誇るというわけで、人気や知名度も実に高い。

ただし、ゴアテックスと言っても1種類ではなく、3層・2.5層・2層構造があるので、求めるシーンに応じてタフさや防水性を考慮しながらセレクトしたい。

覚えるべきは4つ!防水透湿素材は、4種類のタイプに分けることができる

では、生地の数だけ防水透湿素材が存在するのか? というと、そういうわけではなく、我々がウェアを買う選択材料として覚えておきたいのは、大きく分けて4種類あるということ。

そのリストが下記の通り。

① ePTFE

ゴアテックスの中で中核となるのが「ePTFE(延伸ポリテトラフルオロエチレン)」。「テフロン」という商品名でフライパンなどにも使われている「PTFE」を、軽量かつ柔軟にした素材だ。

「ePTFE」は、コーティングの有無で分けられる。

コーティング有りの代表は、ゴアテックス。耐久性が高く、ある程度の透湿性を持つ。一方で生地の柔軟性は低く、シャラシャラした触り心地が特徴。

コーティング無しの代表は、イーベント。

透湿性と耐久性が高い。一方で、皮脂などが詰まった際に機能低下する可能性がある。柔軟性はコーティング有りと同様に低い。

② ナノファイバー

代表生地は、パーテックスシールド・エアやフューチャーライト。

雨もしのげて、晴れの日にも対応する全天候型素材。透湿性が非常に優れており、通気性も持ち合わせているのでスポーツ向き。熱が発散できてパフォーマンスを向上させられそう。

その分、保温性は低いため防寒具としては最適とは言えないかも。

③ 疎水性 多孔質PU

代表生地は、パーテックスシールド・プロやエバーブレス。

その名の通り、「孔(あな)」がたくさん開いたポリウレタン素材(PU=ポリウレタン)。優れた防水性があると同時に、孔がある分、高い透湿性も確保している。

特徴的なのは、ストレッチ性に特化しているという点。まさにレインウェアとして活躍するし、雨の中をハイキングしたりアウトドアシーンで動く際にはぴったり。

ただ、ポリウレタンという素材自体、劣化が早いので注意が必要。また孔を開けなくてはいけない分、素材をある程度厚くする必要があり、極限まで軽量化することが難しい。

④ 親水性 無孔質PU

防水透湿素材の多くがこれに該当する。

原料がポリウレタンなので、ストレッチ性がありソフトな風合いが特徴的。

着心地の良さを追求したいときに適した素材でもある。透湿性は高いのだが、水を吸収し気化させて放出するというメカニズムを持っている点が他との違いだ。

また、多孔質PUと異なり孔を開けないので、極限まで生地を薄くすることができ、軽量化することが可能。だが、ポリウレタンゆえの劣化しやすさは避けることができない。


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