「思い入れが強いのは入社して1、2カ月の頃、初めてデザインを担当した『ネッククーラー』。シリーズ累計で約100万台というトップの売り上げを誇る看板商品なので緊張しました。
ポイントは涼しそうなこと、そして冷却プレートも見せながら本体のスリムさが伝わる角度で撮影したことです」。
店頭に並んでいる商品を見に行くのが密かな楽しみ。
ちなみに、売り上げ2位は弁当箱型の炊飯器シリーズで約18万台。オフィスで炊き立てのご飯が食べられるというアイデア商品だ。
手前はおかずも同時に温められる最新商品。
「自宅では『2連オートソープディスペンサー』を愛用しています。
もともと、キッチン洗剤とハンドソープを並べて置くのが野暮ったいなと思っていて、社内の掲示板に投稿したら商品化されたんです」。
自宅で愛用している様子。
「ゼロの状態から1に持って行くのが結構大変。ソフトの使い方は問題ないんですが、基本的なデザインの考え方とかは今でも難しくて行き詰ることも多いです。
隣の席の大先輩に相談しながら試行錯誤を繰り返しています」。
隣の席の大先輩、いつも的確なアドバイスをありがとうございます。
さて、そんな美波さんを推薦してくれたのは広報部長のekky(エッキー)さん。200回近くのテレビ出演を含め、文字通りサンコーの広告塔として活躍している方だ。
7月には徳間書店から初の著書を刊行予定。内容は「伝える/伝わるコミュニケーション 関係構築の手法」だという。
御社の看板娘、いかがでしょう。
「とにかく元気で挨拶の声も大きいから、彼女がいると社内が明るくなるんですよ。人の意見を一生懸命聞きながら、素直に仕事に取り組んでいます。
下手に経験がたくさんあると自分の形が出来上がっているので人の意見を聞かなくなる。ポイントは素直さだと思います」。
オーバーオールにオレンジがekkyさんのトレードマーク。
Ekkyさんは社内の有志を募ってBBQやスノボなどのイベントも企画している。
越後湯沢へ日帰りのスノボ旅行。
ここで、美波さんが言う。
「ekkyさんはインテリアが大好きなこともあって、家がとにかくオシャレなんです。商品撮影も全部ekkyさんちでしたいぐらい」。
カフェをイメージしたというリビング。
オフィスの上階のフロアも見せてもらった。
商品開発部の社員が働くスペース。
商品開発にあたっては試作から始まるが、それを担当しているのが試作マイスターの坂本大樹さん。
専用の小部屋で黙々と作業をしていた。
サンコーを支える職人。
新商品のアイデアは社員全員で出すが、採用されるのは200分の1程度だという。
美波さんは「売り上げに貢献できるパッケージを作っていきたい。効果は具体的な数字では出ないけど、商品の魅力と、どういうものかがわかるデザインが作れたらそれでいいと思っています」。
暑い夏に向けては、冷却プレートとファンが一体になった「ピタファン」もおすすめ。
[取材協力]サンコーwww.thanko.jp