専門学校を卒業後は、ネイルサロンやバーなどで働く。
「Smappa!Groupが経営していた歌舞伎町のバーに飲みに行っているうちに、いつの間にか店員として働くことになったんです。でも、そのときに得た接客のノウハウやトークスキルは今の仕事にものすごく活きています」。
同グループが運営するバー部門の女性スタッフ集合写真(右から4番目が有香さん)。
この店の後も歌舞伎町やゴールデン街でSmappa!Groupが運営するバーで7年ぐらいアルバイトをしたが、マネージャーから「こんど、ネイルとマツエクの店出すから働いてくれない?」というひと言で現在に至る。
使い込んだ仕事道具も見せてもらった。
筆類などは専門学校時代に自分で買い揃えたもの。
「『自分の身体でいちばん目に入る指先がかわいいと気分がいい』などの感想をいただくとうれしいですね。
ネイルはデザインや色使いにそのときの心理状態が反映されるので、心の処方箋だと思っています」。
甘皮を切るキューティクルニッパーは1本2万円ぐらい。
有香さんはほとんどが指名客だが、初めての人には共通の話題やネイルの好みを探るために、質問をしまくるという。
それによってデザインの提案もしやすくなるからだ。
イメージを掴んでもらうためのサンプルのネイルチップ。
ジェルの種類も豊富だった。
「ここのケースに入っているのは『ベトロ』、『ベラフォーマ』という銘柄のジェル。私がインフルエンサーをやっているシリーズです。店内だけでも400色以上ありますね」。
発色のよさと使いやすさが気に入っている。
なお、「8ist」ではネイルの施術中にマツエクも同時にできる。こうしたサロンは珍しいそうだ。
サイドテーブルの上にネイルセットを載せる仕組み。
そんな有香さんを推薦してくれたのは、同じSmappa!Groupの広報部で働く山賀成美さん。
「有香ちゃんのネイルは持ちがすごくいいんです。技術はもちろん、生活習慣に対するアドバイスもしてくれるのがプロだなと思います。爪の状態は体調のバロメーターなんですよね」。
「一方、グループ内では天然キャラとしても有名」と笑う。
この日の山賀さんのネイルも有香さんによるもの。
色の組み合せや大まかなイメージを伝えるが、区民プールや顕微鏡で見た微生物の写真を出して、「こんな感じで」という抽象的な依頼をすることもある。
どんなオーダーにも柔軟に対応してくれる有香さん。
なお、Smappa!Groupでは歌舞伎町で6軒のホストクラブも経営している。山賀さんはグループ全体の広報を担当しているだけあって、昨今のホストクラブ事情にも詳しかった。
「いろんなタイプのお店がありますが、うちは初めての人でも来やすい雰囲気とシステム。初めてのお客様でも安心して利用していただけるように、定額のツアーを組んでいるのですが、最近は都内~地方の方まで、さまざまな年齢層の方からお問い合わせをいただくことが増えています」。
男性が接待に利用されることもしばしば。ホストも配信など多様なSNSを駆使し、まだ見ぬ誰かの「推し」になり、それが集客につながることも当たり前となってきているという。
さらに、ホスト自体も怖い職業というイメージがなくなって、有名大学に通う男性が応募してくることも多いという。
「シャンパンタワー」の写真も見せてくれた。ほとんどのタワーは対象ホストのエースと呼ばれる客が料金を支払うそうだ。
こちらでトータル約700万円。
「シャンパンコール」の話も興味深かった。時代ごとの流行りというよりは、いくつかの定番曲のスピードを速くしたり、別の曲とリミックスしたりなどして使用しているという。
店舗によって盛り上げ方に工夫を凝らす。
有香さんも言う。
「ここにもホストの方がネイルケアのために来てくれます。男性客様は2〜3割ぐらいでしょうか。今は女性同様、男性もジェルネイルをする時代なので、メンズ需要をもっと広げて行きたいですね」。
エントランスにはマツエクのコンテストで受賞したトロフィーも飾ってあった。「8」のオブジェはスタッフが海外で見つけて買ってきたものだ。
店名の由来は「お客様に無限大の変化(∞)、限りない(∞)喜び、繋がり(∞)を提供する」というもの。
「ネイルそのものは日本人がいちばん繊細で技術も高いですね。でも、最近はロシアのネイルもかわいいものが増えて来ました」という有香さん。最後に読者へのメッセージをお願いします。
女性たちが楽しそうに指先で遊んでいるのを見ると、よし男性も……となりますね。
[取材協力]8isthttps://8ist.jp Smappa!Groupwww.smappa.net