撮影=小田駿一
当記事は「Forbes JAPAN」の提供記事です。元記事はこちら。 俳優の坂上忍が、昨年4月、千葉県袖ケ浦市で動物保護ハウス「さかがみ家」をオープンした。
以前から犬猫の保護活動に力を注いでいることは知られていたが、約4500坪の広大な土地を自己資金で購入し、130㎡の母屋と2000㎡のドッグランを作り上げたことには、犬や猫を愛する人たちから驚きと称賛の声があがった。
引き取った犬や猫をのびのびとした環境で飼育し、心身共に健康な状態になってから里親に引き渡す。それが「さかがみ家」の役目となる。すでに犬7頭、猫13頭を譲渡した。
特筆すべきは、保護活動を、寄付やボランティアに頼らず、「ビジネス」として展開する自力運営にこだわっている点だ。カフェ事業やグッズの販売で収益をたてながら、次のプランも動き出しているという。
開業からもうすぐ1年。新たな展開を目論む「さかがみ家」について、坂上忍に聞いた。
「さかがみ家」の収入源となる幹と軸
──最初は私財を投入しての赤字運営ということでしたが、現在の収益はどうなっていますか? 開業当初は、マネタイズは全くできていませんでした。まずは従業員たちに犬や猫のことを分かってもらう、お世話に慣れてもらうという下地作りから始めました。
最初のうちの収入源は“雑食”でいいと思っていて、昨年9月にグッズを販売する「さかがみ家オンラインストア」をスタートし、同じ時期に「さかがみ家カフェ@木更津港」を1カ月限定でオープンしました。
そこから従業員の給与支払いもできるようになりました。昨年は当然赤字ですが、いつまでもそれではだめで、2年目は黒字化を目指します。僕は赤字が大嫌いなので(笑)。
いまは、維持費と先行投資、今後の事業展開分も含めて、今年はこれぐらい稼げばやっていけるかなというのがなんとなく見えている状態です。
また、いろいろな企業とも話をしながら「さかがみ家」の幹となるものを探している段階です。例えば空気清浄機の商品開発であったり、動物と暮らす家づくりのプロデュースであったり。今年はそれらで収益を上げることができそうな気がしています。
しかし、幹はあくまでも幹。軸となるような事業が動きださないことには、軌道に乗ったとは言えないですね。
──軸になるものは何か決まっているのですか? いま考えているのは、有料の「老犬・老猫ホーム」を経営することです。飼いきれなくなった子の受け皿としてホームを建てて、そこで亡くなるまでお世話をする。
飼い主さんから月額や年額での「お世話代」をもらい、千葉県内で店舗展開しようと思っています。保護団体として収益を得るのは非常に難しいですが、僕の場合は芸能のお仕事をしているので、ある程度の集客力は見込めます。
母屋(上)とドッグラン
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