肌着とはインナーウェア、平たく言えば下着のこと。それを1枚で着られるほどに仕上げた究極の逸品が生まれた。
作ったのは「LIFiLL(リフィル)」。創業150年以上を数えるテキスタイルのリーディングカンパニーであるタイレム瀧定大阪が展開するオリジナルブランドだ。その新プロジェクトとして、「ファインライン エンジニアド バイ リフィル」が誕生した。
「コットニー フェザー」と呼ばれる素材は、驚くほど柔らかで気持ちいい肌触り。
ことの発端は、生地のプロである彼らが作る「COTTONY® (コットニー)」と呼ばれる素材。超長綿のスーピマコットンを極限まで甘く紡績して低速で編んだそれは、空気をたっぷり含んで驚くほど柔らか。その素材を肌着用に進化させ、より薄く繊細な「コットニーフェザー」に仕立てたのだ。
ちなみに、今企画にはひとりのキーマンが携わっている。「レショップ」のコンセプターにして、そのセンスの良さで数々のファッションプロジェクトに携わってきた金子恵治こそその人。
彼の「日本に新しいアンダーウェアの文化を作りたい」という想いが老舗の職人技と結実し、クリエイティブディレクターとして参画。両者の出会いが究極の肌着と相成った。
金子恵治(かねこけいじ)●セレクトショップのバイヤーを経験した後に独立し、2015年に「レショップ」を立ち上げる。豊富な知識と経験を武器に、数々のブランとも協業し名プロダクトを手掛ける。趣味は自転車。
では早速、その魅力を5つのアイテムから紐解いていこう。
アイテム① ショートスリーブクルーネック 立ち姿の美しさを追求
7700円/ファインライン エンジニアド バイ リフィル(リフィル 03-5770-6195)
オーソドックスないわゆるTシャツタイプ。超スタンダードだからこそ「コットニーフェザー」の肌触りの良さが際立つ、プロジェクトを代表する肌着である。
繊細でしなやかな薄手生地の特徴を活かして、着用時の肩の収まりの良さや歪なシワが寄らない脇の構造といったディテール構成に尽力。1mm単位で調整したという首回りにはリブのないボディと同布の襟を用い、フィッティングには適度なユルさを持たせた。
結果、ほかにはない美しい立ち姿を実現。肌着とは本来はなにかしらの内側に着るもの。その発想を逆転させる、並みのTシャツ以上のルックスを手にしたのだ。
アイテム② ロングスリーブクルーネック その袖、リブなし、勝算あり
8800円/ファインライン エンジニアド バイ リフィル(リフィル 03-5770-6195)
Tシャツ然とした肌着があるのなら、ロンT的な1枚だって欲しくなる。その欲求に応えるべく、シンプルなロングスリーブもラインアップしている。
「ニットをデザインするような感覚で作った」と語る金子氏が今作で特にこだわったのが、インナーとして着た際に上物に干渉しない袖の形状。アームホールを細めにデザインし、リブをあえてなくすことで、重ね着してもモタつかず綺麗なシルエットを楽しめる。
金子氏は同時に、内側に着たコットンロングスリーブクルーネックの袖を少しだけ覗かせるレイヤードスタイルを提唱する。いずれにせよ、肌に気持ち良く、上を脱いでもサマになるロングスリーブは、これからの時季に大活躍しそうだ。
アイテム③ ロングスリーブハーフジップ 装いにニュアンスをつける
9900円/ファインライン エンジニアド バイ リフィル(リフィル 03-5770-6195)
袖の違いこそあれ、上記ふたつの形状はいわゆる肌着の範疇を超えない。ただし、こちらは違う。スポーツウェア的なハーフジップスタイルなのだ。ちょっとレトロで、嫌味なく個性的。高感度な大人から今にわかに注目されるハーフジップは、アウター的な要素を多分に含んでいる。
そんな意欲作のモチーフとなったのは、ずばりランニング用のハーフジップ。従来のそれは身体に張り付くようなジャストフィットが一般的だが、こちらは程良くゆとりを持たせた気分なシルエットに仕上がった。
寒暖差に応じてファスナーで首元を調整でき、装いのニュアンスとしても機能。操作時に引き手が顔周りに当たらないよう、ファスナーをボディの生地で包み込むように取り付けるなど、親切設計も光る。
アイテム④ ロングスリーブモックネック 襟の高さが品を生む
8800円/ファインライン エンジニアド バイ リフィル(リフィル 03-5770-6195)
装いに変化を生む肌着という観点からは、こちらも見逃せない。コットンロングスリーブモックネックは、文字通りに襟のデザインをモックネックに変更。「首を隠すことはファッションになりやすい」という金子氏の私見を取り入れたアイテムだ。
確かに。シャツの襟が少し高いだけで気品高く感じたり、気の利いたマフラーを巻いているだけでスタイルがこなれて見えたりする。モックネックの襟リブが付いたロンTもまた然り。本作はネックラインをやや下側に設定することで、襟の美しいカーブが首周りにジャストフィットする。
見た目の違いだけでなく、襟が高いことで首元のほのかな保温にも貢献。当然、「コットニーフェザー」ならではの心地良さも首から袖先まで存分に感じられる。
アイテム⑤ ネックゲイター 組み合わせで楽しむ
3300円/ファインライン エンジニアド バイ リフィル(リフィル 03-5770-6195)
最後はちょっとした変化球を。他のインナーと組み合わせることで喜びが増す、首周り単体のアイテムだ。襟元にポイントを作ることで装いに深みが増すのは、先ほど触れたとおり。普通のTシャツにこちらを加えるだけでも、気持ち良さにつられて気分が高まってくる。
単品としての使い勝手も良く、首につければネックウォーマーに、頭にかぶればヘアバンドに変身。上部を結べばニットキャップ的な使い方もできる。「コットニーフェザー」は吸水性が高いため、タオル代わりになるそうだ。
首元から鼻の上まで引き上げれば、優れた通気性と保温性を両立したネックゲイターとしても使用可能、と金子氏は提案。アクティブなライフスタイルを彩る、新しい肌着の形である。
以上、リフィルの肌着の究極性に付いてご理解いただけただろうか。なお、デビューとなる今シーズンは合計7タイプのアイテムがスタンバイ。たかが肌着、されど肌着。ぜひお気に入りのセカンドスキンを見つけてほしい。
[問い合わせ]リフィル03-5770-6195https://lifill.jp