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クラブでヒットしている音楽が世界のトレンドだと思っていた


 
ーー言わずもがな、サブスクもない時代ですから、レコードショップで音楽を探すしかなかったわけですよね。

渡辺俊美 そうですね。もう毎日のようにレコ屋に行っていました。当時はタワレコも遅くまで営業していたから、仕事が終わったら渋谷まで足を運んで。でも爆音で聴きたいからクラブに行って、そこでまた「この音楽は何だろう?」とかディグって、またレコ屋に行って同じ音源を買って。その繰り返しでしたね。

BIKKE 僕はあんまり音源を買わなかったかもしれない。ほぼ毎日クラブに行って音楽を聴いているだけだから、タイトルやアーティスト名がわからないような感じだったかな。

まだ世の中のこともよくわかっていないから、クラブで盛り上がっているものが世界のトレンドで、ビルボードにランクインしているんだろうって思ってた(笑)。

渡辺俊美 今はヒットチャートにランクインする音楽がクラブでも盛り上がるのかもしれないけど、当時はそこが違ったよね。クラブで流行っていても世間的にはそうではない。そういう世界が楽しかったというか。アンダーグラウンドみたいで、自分は「ここにいるんだ」っていうのを肌で感じていたね。

BIKKE そこでいくと、川辺くんは音源をディグるに関しては1番だよね?

川辺ヒロシ それが唯一の趣味みたいなもんだからね。当時の渋谷はもっとたくさんレコードショップがあったし、ラフォーレにもあったよね。どこにでもあったし、レコ屋を見つければ入っていって。新譜もそれぞれのレコ屋の特色に合わせて違うものが置いてあったっていうのが楽しかったです。

それは今のサブスクでも同じですね。昔の音楽も今の音楽もごちゃごちゃ揃っているんで、大きな試聴機だと思ってサブスクも楽しんでいます。

スチャダラにかせきさいだぁ……付き合いは昔から変わらない


 
ーーでは、再びサイコロを振っていただきたいと思います。俊美さん、お願いします!

渡辺俊美 いきます! おっ、「仲間」ですね。

BIKKE そもそも仲間って何だろうね?

渡辺俊美 クラブに通って見知った連中が夜な夜な集まっていたから、そういうのが仲間になるのかな? でも、その後のことも踏まえると意外と少なかった気もするな。

川辺ヒロシ とはいえ、俊美くんには全国に“俊美っ子倶楽部”みたいな人たちがいるわけじゃないですか。それは仲間じゃない?

渡辺俊美 ああ、仲間ですね。ポッセです。BIKKEには一緒に飲みに行く相棒みたいな人がいたでしょ?


 
BIKKE 当時はいたけど、飲める相手が横にいればいいってくらいで、お互いにちんぷんかんぷんな噛み合わない話をしていた気がするなぁ。僕は僕の話しかしてなかったと思う(笑)。

渡辺俊美 そう考えると、BIKKEは飲み仲間がこの中でいちばんたくさんいたよね。

川辺ヒロシ 顔が広いもんね。

BIKKE まぁ、仲間っていうか後輩が無理やり付き合ってくれてたんだと思うよ。1人帰ったら次のやつを呼び出して、常に後輩を取っ替え引っ替えで。

一同 (笑)。

渡辺俊美 ヒロシくんは’90年代から今も、ずっと変わらない友達付き合いなんじゃない?

川辺ヒロシ そうだね。LBネイション、スチャダラパー、かせきさいだぁ、タケイグッドマンとか、彼らとの付き合いは当時から今も変わらないね。この間もザ・カートゥーンズのK-5が東京に遊びに来たっていうんで、みんなで集まったりしてね。


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