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──SEAMOさんはひつじサミットのオリジナルソング『紡ぐ』も発表し、地元の子どもたちのコーラスを歌に乗せました。どんな思いを込めましたか。



SEAMO:いろんな世代の人たち、特に若い子に尾州の素晴らしい技術と文化を伝えていかなきゃいけない。世界に誇れるカルチャーがあるんだ、地元を背負ってこの街のためになりたい、そう思ってくれるといいなと思いました。

歌詞には「かよわき糸」という言葉が何度も出てきますが、工場では昔ながらのレトロな製法で糸が紡がれているのを見ました。切れそうな弱い糸がくるくると回って、力強く大きな一本の撚り糸になっていくのが印象的でした。

:尾州産地には古くから歴史があるけれど、産業全体的に元気がなくなってきている中で、私たち世代は未来を見て存続していかなくてはなりません。そんな立場への応援歌でもあると感じました。

尾州ウールは世界に誇れる文化 守るべきもの


ひつじサミット尾州オリジナルソング『紡ぐ』オフィシャルムービーから

ひつじサミット尾州オリジナルソング『紡ぐ』オフィシャルムービーから


──「繊維の街から発信するカルチャー」というのは、SEAMOさんならではの表現だと思います。

SEAMO:HIPHOPってなんですか?と聞かれた時「音楽のジャンルです」と「文化です」という2種類の答え方があると思います。

尾州のことを聞かれたら「性能のいい糸やウールの素材の産地です」と「この地域のカルチャー、文化です」と説明するのと同じ。国技や歌舞伎、伝統工芸を保護するのと同じように、尾州の生地や繊維も守っていくべきものだと感じています。尾州ウール産地で働く人たちが誇りを持って働き続けるために、国や自治体がしっかりとバックアップすべきだと思いますね。世界に誇れる文化だともっと世に知られるべきだと思っています。

:尾州産地の大きな課題として、作り手と使い手の距離が離れていることが挙げられます。糸や生地までを手がける企業が多く、その先の商品の完成品まで知らされないこともあります。その距離感を埋めるためにどうしたら良いか、解決策のひとつとしてひつじサミットがあります。イベントをやるからすぐ企業が潤うということはなかなかないんです。

ですが、作り手と使い手が繋がり、SEAMOさんに作っていただいた歌のように、尾州の確かな技術をカルチャーとして次世代に繋いでいく。特に子どもたちには服ができるまでに多くの人が関わっていて、ものづくりにはストーリーがあることを知ってほしいです。そこから1着の服を大切にする気持ちや産地への愛着が生まれてくると思います。

一方で、参加企業にとっては、イベントを通じて生き残るために何を改善していけばいいか振り返る機会になれば良いと考えています。


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