異色のキャリアから生まれたラグジュアリースポーツウォッチ
「スポーツ・オート」Tiケース、41.5mm径、自動巻き。708万4000円/ローラン・フェリエ(DKSHマーケットエクスパンションサービスジャパン cg.csc1@dksh.com)
ローラン・フェリエは異色の経歴を持つ時計師だ。
ジュネーブの時計学校を卒業したのち、パテック フィリップへ入社。その後、37年間の在籍期間中に約3年ほどレーシングドライバーとしても活躍。
独立後、2009年に自身の名を冠したブランドを立ち上げた。
ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリでは、2010年に「メンズウォッチ部門賞」、2015年に「オロロジカル・レベレーション賞」、2018年には「メンズ複雑時計賞」と三度の受賞を果たすなど、その実力は折り紙付きだ。
卓越したウォッチメイキングの真髄は、“シンプルで正確で整然とした美”という価値観や哲学に基づいている。
ローラン・フェリエ特有の「槍」を意味するアガセイ型の針やインデックスには、グリーンのスーパールミノバを塗布。濃淡の異なるブルーのオパライン仕上げも美しい。
2022年の新作「スポーツ・オート」は、創業メンバーであるローラン・フェリエ、フランソワ・セルヴァナン、フランソワ・トリスコーニの3名が、1979年の6月9 日、ル・マン「サルトサーキット」において、総合成績3位という快挙を成し遂げたことへのオマージュから誕生したモデルだ。
“レース中に着用できる理想的なタイムピースを作る”というコンセプトで開発・設計されたラグジュアリースポーツウォッチは、グレード5チタンを使用したクッション型ケースと一体型のブレスレットを丁寧に仕上げることによって、美観と実用性を両立させている。
シースルーバックからは、約72時間のパワリザーブを備えた2番目の自社開発・自動巻きムーブメントCal.LF 270.01を眺めることができる。
プラチナ製のマイクロローターを採用した新開発の自動巻きムーブメントCal.LF 270.01 は耐衝撃性や耐振動性に優れており、エッジ部分の面取り、表面の鏡面仕上げ、内部は亜鉛メッキ、サテン仕上げなど、ムーブメントひとつあたり139工程以上の手作業による仕上げが施されている。
世界中から羨望を集める究極のコレクターズピース
世界中の時計マニアから熱視線を浴びる気鋭のブランドがある。
2022年に日本初上陸を果たしたアクリヴィアは、創業者のレジェップ・レジェピが自らの理想を叶える腕時計を製作するため、2012年に立ち上げたブランドだ。
アクリヴィア創業者のレジェップ・レジェピは1987年コソボに生まれる。いま世界で最も注目される若手時計師のひとりだ。
現在35歳のレジェップ・レジェピの時計師としてのキャリアは20年を数える。15歳からパテック フィリップでの見習いを始め、20歳まで同社に在籍、その後はBNBコンセプト、F.P.ジュルヌと名だたる会社で経験を積み、若干25歳で自身の会社を設立した。
ブランド設立10周年を迎え、2022年に発表された「レジェップ・レジェピ クロノメトル コンテンポラン II」は、レジェップ・レジェピが考える“高級時計の新たなスタンダード”を体現するシグネチャーモデルだ。
「レジェップ・レジェピ クロノメトル コンテンポラン II」18KRGケース、38mm径、手巻き。価格未定/アクリヴィア(アワーグラス銀座店 03-5537-7888)
「レジェップ・レジェピ クロノメトル コンテンポラン II」Ptケース、38mm径、手巻き。価格未定/アクリヴィア(アワーグラス銀座店 03-5537-7888)
2018年にジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリの「メンズウォッチ部門賞」を受賞した前作「レジェップ・レジェピ クロノメトル コンテンポラン I」と同様、グラン・フー・エナメルの文字盤、セクターダイヤルなどの古き良き時代の技術や意匠を現代的にアレンジを施し、2作品連続で同賞を受賞するという快挙を成し遂げた。
一見するとドレスウォッチに近い印象に映るのだが、内部が非常に複雑な設計であることも本作の特徴に挙がる。
これだけにとどまらず、この新作では、伝説的なケース職人ジャン・ピエール・ハグマンによる新しいケース作り、秒針が他に干渉せず進めることを可能にした2つの香箱を持つ新しい手巻きムーブメントCal.RRCC02を搭載するなど、インディペンデントなブランドならではのこだわりが詰まっている。