「ワイルドターキー 8年」700ml 4158円/ワイルドターキー(CT Spirits Japan 03-6455-5810)
「ワイルドターキー」。その酒の名を知らぬ大人はいないだろうが、ブランドの背景や製品へのこだわりにまで精通する人は限られるだろう。
ストーリーを噛みしめることで、酒の味わいは深みを増す。ということで、今回は“ツマミ”になりそうな5つのアレコレを紹介。アメリカを代表するプレミアムバーボンを片手に、ぜひご賞味いただこう。
① そもそもバーボンって何?
“ひと口目”は基本的なお話から。バーボンの“そもそも論”から始めたい。
まず、バーボンとは蒸留酒であるウイスキーの一種で、アメリカで作られるアメリカンウイスキーの代表格。名前の由来は、ケンタッキー州バーボン郡にある。
バーボンの細かな定義を紐解いていくと、原料の半分以上(51%以上)にトウモロコシを含む、アルコール度数80度以下で蒸留させるなどさまざまなルールが。
内面を焦がしたホワイトオークの新樽を使用する、樽詰めの際にはアルコール度数62.5度以下にする、水以外を加えずアルコール度数40度以上で瓶詰めするといった具合に、最初から最後まで“厳しい縛り”が設けられているのだ。
さらには熟成に2年以上かけなければストレートバーボンとは名乗れないといった、格にまつわる条件も。
その点で、まごうことなきアメリカのプレミアムバーボンブランドであるワイルドターキーは、いたって特別な酒といえよう。
② ハンティング好きの社長の“振る舞い酒”が原型
耳馴染みがいいブランド名の由来は、禁酒法廃止後の1942年のエピソードを発祥とする。
当時、ケンタッキー州でウイスキーの蒸留所を所有していたオースティン・ニコルズ社の社長トーマス・マッカーシーが、ハンティング仲間に自慢のバーボンを振る舞った。
101プルーフ(アルコール度数50.5%)のその酒こそ、ワイルドターキーの原型。七面鳥を獲物とする狩仲間の集まりだったこともあり、そのうちのひとりが「ワイルドターキー」と名付けたそうだ。野性味ある深いコクを持つバーボンだけに、まさに言い得て妙。
バニラのような香りと甘み、スパイシーでいて上質なまろやかさは、さぞやハンティング後の宴会に花を添えたことだろう。
③ 秘伝のレシピを知るのはラッセル親子のみ
蒸留酒の出来不出来を大きく左右するのが、考え抜かれたレシピの存在だ。ただし、ワイルドターキーにおいては、その秘密は明かされていない。
現在レシピの全貌を知るのは、ともにバーボン殿堂入りを果たすジミー・ラッセルとエディ・ラッセル親子のみ。ワイルドターキー蒸溜所のマスター・ディスティラーであり、“バーボン界の伝説”と呼ばれるジミーの頭の中だけに存在するレシピを、子のエディに伝承する形で引き継いでいる。
門外不出・一子相伝を貫くワイルドターキーの美学。ある意味でリスキーなスタイルを決して曲げないその姿勢も、ファンを魅了する要因のひとつだろう。
④ 火と水のこだわりがスゴイ!
レシピ同様、味わいに直結する製造過程への熱意も並じゃない。良質のドイツ産ライ麦や水分含有率14%以下のコーンといった厳選の穀物のみを使用し、1940年から一貫して自家製酵母でユニークな風味を生み出している。
さらには、火と水がカギを握るスペシャルな要素が。
通常、バーボンは熟成に内側を焦がした新樽を使用することで風味を獲得する。この樽焦がしのことを「バレル・チャー」と呼ぶが、ワイルドターキーではその焦がしレベルが4段階中の4。強力に焦がした樽の内側の痕がワニ革に似た模様をしていることから「アリゲーター・チャー」と名付けられた。この火(焦がし)のこだわりがなければあの独特の風味は完成しない。
一方の水のこだわりは、“マザー・ウォーター”として伝えられる。
ケンタッキー川に面した崖の上に建てられた蒸溜所では、ライムストーン(石灰岩)の層によって濾過されたピュアな水を汲み上げ仕込みに使っている。
鉄分が除去され、カルシウムとミネラルを豊富に含んだこの水が、バーボンに最適な“母なる存在”として君臨し、ワイルドターキーの土台となる。
⑤ 名作「8年」がリニューアル、「12年」が復活
「ワイルドターキー 8年」700ml 4158円/ワイルドターキー(CT Spirits Japan 03-6455-5810)
勘のいい読者ならお分かりだろうが、ワイルドターキーシリーズのなかでも名作とされる「8年もの」「12年もの」の101プルーフが、それぞれ新たにリリースされた。
ブランドの旗艦アイテムでもある「ワイルドターキー 8年」は、新ボトルを纏ってリニューアル。「ウイスキーはそれ自身が物語る」というコンセプトのもとラベル装飾は最小限に抑え、プレミアムバーボンの色とテクスチャーをよりダイレクトに楽しめるように。
「ワイルドターキー 12年」700ml 8800円/ワイルドターキー(CT Spirits Japan 03-6455-5810)
通常は長くても10年と言われるバーボンの熟成期間を飛び越えた異端児「ワイルドターキー 12年」は、久々の復活となった。
バニラ&キャラメルの香り、青銅色を帯びた琥珀色の輝きは、クラシカルでいて濃厚。今作は熟成樽を模したボックスで登場し、ボックス外側には木目柄を、内側には焦がされたアリゲーター・チャーをあしらう。
ギフトにも、とっておきの自宅時間にも。温故知新のワイルドターキーで、とことん楽しみたい。
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