既存モデルよりも3mmほど小型化された「ペラゴス」コレクションの最新作。それに加え、チタン製ブレスレットにはアジャスタブルクラスプが装備され、着用者が8mmの長さを5段階で調整可能。ユーザビリティーを飛躍的に向上させ、街使いにも適す。「ペラゴス 39」チタンケース、39mm径、自動巻き。53万7900円/チューダー(日本ロレックス / チューダー 03-3216-5671)
▶︎すべての画像を見る 今や機構とデザインで唯一無二の独自進化を遂げたチューダーだが、その黎明期はロレックスの技術力を知らしめる役割を担うブランドだった。
今回の「ペラゴス」もまた、ロレックスの「サブマリーナー」に準ずる1954年生まれのダイバーズ、「チューダー オイスター プリンス サブマリーナー 7922」に端を発する。
当時の最先端であったねじ込み式のケースバックの内部には、毎時1万8000振動のフルリエ社製エボーシュをベースに開発した自動巻きムーブメントを装備。
高い信頼性が評判を呼び、プロダイバーから軍関係者にいたるまであらゆる海中活動の安全性を長く支えた。
2021年、フランス海軍とのパートナーシップ再開を機に、戦闘ダイバー部隊コマンドー・ユベールと共同開発。水中での特殊任務に適したカウントダウン形式の両回転ベゼルやベルクロ式ストラップを装備。「ペラゴス FXD」チタンケース、42mm径、自動巻き。47万4100円/チューダー(日本ロレックス / チューダー 03-3216-5671)
時は流れ、初代「ペラゴス」のリリースは2012年。500mの防水性能や飽和潜水に不可欠なヘリウム排出バルブを備えた、水中使用を目的とする生粋の潜水用時計だ。
とりわけ「ペラゴス」が特別なのは、チューダーとしての独自路線を体現する存在であるから。例えば、ケースやベゼル、ブレスレットはマット仕上げのチタン素材で統一。タフで驚くほど軽く、錆びないうえに耐アレルギー性の高いチタンは普段使いに打ってつけだ。
「スノーフレーク」と呼ばれる針のデザインも見逃せない。先端がスクエア型になった時針はチューダー ダイバーズの絶対的なアイコンといえよう。
モデル名の「LHD」はレフトハンドドライブを意味する。右手に時計を装着した際に操作しやすいケース左側のリュウズが特徴だ。500mの防水や特許取得の自動調整クラスプなど、スペック面は抜かりない。「ペラゴス LHD」チタンケース、42mm径、自動巻き。57万6400円/チューダー(日本ロレックス / チューダー 03-3216-5671)
そして初登場から10年目を迎えた今年、「ペラゴス」は次なる扉を開いている。「ペラゴス 39」という名が示すように、ケース径42mmの従来モデルに比べて3mmのサイズダウンを実施。視認性や操作性はそのままに、より実用的に生まれ変わった。
独自進化するブランドの代弁者として、海と街をつなぐダイバーズウォッチの名作として。小型化した新「ペラゴス」の主張は、実に大きい。
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