▶︎すべての画像を見る ドイツ戦での歴史的勝利で盛り上がりを見せるワールドカップ カタール大会。そこで現地・カタールの裏事情を、滞在中のカメラマン佐野美樹がレポート。
知らなくても困らないが、知っているとちょっと楽しいカタールのエピソードをお届け。今後の日本戦のお供にどーぞ!
① 暑さ対策の弊害? カタールなのに寒すぎる問題
通常は7月に開催されるW杯が、暑さ対策から今回は異例の11月開催となった。
それだけにカタールの暑さ対策への執念は並々ならぬもの。その最たるものがスタジアムだ。今大会の試合会場は、どこも強力な冷房設備を完備。
奥に見えるのが、冷房の“蛸壷”送風口。選手想いではあるが……。
スタンドの下には蛸壺のような送風口がいくつも並んでいて、ピッチまで冷風を届けようと、ものすごい勢いで風を送っている。おかげで選手たちはそれほど汗をかいておらず、快適な環境でプレーをできているようだ。
だが、その弊害を受けているのが、ピッチ脇にいる我々カメラマン。常にものすごい冷気が背中を直撃。
日中なんて、陽射しのあたる部分は暑く、冷風の当たる背中は激寒というよく分からない状態になっている。
それでも昼間はまだいい。設定温度や節電意識という概念がないのか、陽が落ちて
冷房がいらないぐらい涼しくなっても、冷風の勢いが衰えることはまったくないのだ。
一度、あまりの寒さに「風向きだけでも、どうにかならないか」とスタジアムのスタッフに直談判したところ、なんと彼は送風口を思い切り蹴り上げた。
最新スタジアムでありながら、風向き調整は人力なのだろうか(笑)。
② ワールドカップ史上最小の大会、移動手段はメトロだが……
今大会はワールドカップ史上、最もコンパクトな大会と言われている。カタールの国土は秋田県よりもやや小さいぐらい。
東海岸にあるのがドーハ。
さらにドーハ市となると132㎢しかなく、
米子市とほぼ同じ面積なのだが、そこに試合が行われる8つのスタジアムがすべて収まっているのだ。
ただし通常、ワールドカップは10スタジアムで行われる。今回は2つ少ないため、本来は1日3試合のところ、1日4試合が行われている。
そしてスタジアムをつなぐのは、今大会のためにわざわざ造られた3つのメトロ。
造られたばかりなので、駅も車内もめちゃくちゃきれい。ただ、
スタジアムまで2.2km歩く最寄駅もあったりして、決して便利というわけではない。
さらにこのメトロに乗っているのはサポーターばかり。ワールドカップが終わったら地元の人は乗るのだろうかと心配になる。
ちなみに単独国での開催は今回が最後。次回はアメリカ、カナダ、メキシコの共催になる。どうやって移動するのか、今から悩ましい。
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