▶︎すべての画像を見る 大空や旅への憧れから発展を遂げたGMTウォッチ。
誰でも簡単に旅先での正確な時刻を調べられるようになった今、これらの腕時計に求められるのは時刻を知らせる機能だけにとどまらない。
ここでは、上質な腕時計ならではの魅力がふんだんに感じられる、特別なトラベラーズウォッチ4本をお届けしよう。
クラシック&モダンを体現するコレクターズピース
「ワールドタイム Ref.5230P 」Ptケース、38.5mm径、自動巻き。953万7000円/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109)
1930年代にパテック フィリップが時計師ルイ・コティエとともに開発した腕時計式ワールドタイムは、この分野における始祖的な腕時計として名高い。
ルイ・コティエ式とも呼ばれるワールドタイムの機構は、通常の時刻表示、その外周に24時間表記のリングを配置することで世界の主要都市を表示させる機能を持つ。シンプルな操作性、優れた視認性なども特徴に挙がる。
2016年に発表された「ワールドタイム Ref.5230」は、この伝統を最も色濃く受け継ぐモデルだ。これまでローズゴールド、ホワイトゴールドケースの2種類での展開であったが、2022年にはブルー文字盤のプラチナケースが仲間に加わった。
パテック フィリップが手掛けるワールドタイムは、古くからコレクターズアイテムとして親しまれており、美しい外装に惹かれる人が後を絶たない。
このモデルに関しては、文字盤の中央に施したサーキュラーパターンのギヨシェ装飾、ネイビーブルーのカーフスキンストラップなどの組み合わせによって、クラシックとモダンが共存する雰囲気を作り上げている。
世界初の複雑機構を搭載するGMTウォッチ
「トンダ PF GMT ラトラパンテ 」SS☓Ptケース、40mm径、自動巻き。386万1000円/パルミジャーニ・フルリエ pfd.japan@parmigiani.com
「神の手を持つ天才時計師」と呼び声が高いミシェル・パルミジャーニが1996年に創業したパルミジャーニ・フルリエは、気鋭のブランドながらも数々の名門サプライヤーを傘下に収め、世界有数のマニュファクチュールへ進化を遂げている。
2021年から展開がスタートした「トンダ PF」は、デイリーユースで着用できる複雑機構搭載モデルを展開するコレクションだ。
最新作の「トンダ PF GMT ラトラパンテ」は、一見するとシンプルな3針に見えるが、実は世界初の複雑機構を搭載するGMTウォッチなのだ。
この新しい機構は、8時位置のプッシュボタンを押す度にホワイトゴールドのローカルタイム針が1時間ごと進み、ローズゴールドのホームタイム針が現れる。これによって2つの時刻を同時に読み取ることができる。
第2タイムゾーンの情報が不要なときは、リュウズと一体化したローズゴールドのプッシュボタンを押すと、ホワイトゴールドの針がローズゴールドの針の下に戻るという仕組みだ。
仕上げのレベルも群を抜いており、ずっと眺めていたくなるほど美しい。一流を極めたパルミジャーニ・フルリエのトラベラーズウォッチは、身につける度に特別な時間を提供してくれるに違いない。
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