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静々と走るPHEVに期待

新型レンジローバーの完成度の高さには舌を巻くほかなかった。4種類のパワートレインのうち、V8ガソリン(P530)とマイルドハイブリッド直6ディーゼル(D300)を試したが、どちらも巨大なSUVを力強く、そしてしなやかによく動かす。

乗り心地はロング、ショートともに秀逸(ショートのほうが少しいい)で、街中では大きさを感じさせず、高速では一体感まで覚えた。さすがハイエンドSUVの本家本元だ。ポッと出とは違う。

そんな新型レンジの大本命は直6ガソリンエンジンにプラグインハイブリッドシステムを組み合わせたグレード、P440とP510だろう(数字はエンジンチューニングによる馬力の差)。

電気モーターはいずれも同じ性能で、満充電ならカタログ値で113kmをEVで走行する。実際の走行距離はおそらく90kmくらい。

多くの街乗りユーザーは、ガソリンスタンドに行くことなく普段の生活でこのレンジを使うことができるだろう。ただし、ガレージに充電器があるか、近所に便利に使える急速充電器があっての話だけれど。

V8ガソリンエンジン搭載のグレードは受注台数に達したため、現在、ハイエンドのSV仕様を除きオーダーを停止中だという。静々と電気で走る新型レンジに期待したい。

モータージャーナリスト
西川 淳
フリーランスの自動車“趣味”ライター。得意分野は、スーパースポーツ、クラシック&ヴィンテージといった趣味車。愛車もフィアット500(古くて可愛いやつ)やロータス エランなど趣味三昧。


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