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2022.10.30

ライフ

小屋暮らしのブームの起点とこれからのスタイル。専門誌編集長に聞いた、その魅力


当記事は「FUTURE IS NOW」の提供記事です。元記事はこちら

昨今ではライフスタイルの多様化やコロナ禍の到来などによって、その価値観にも変化が訪れているように感じます。そこで今月は、未来の定番となり得る家族のカタチや暮らしの道具などを探究していきます。

今回は、自宅や仕事場以外の第3の居場所として活用され始め、自作する人も増えているという小屋に着目。なぜ今、自分の居場所として小屋が求められているのか。どうして人は小屋を作るのか。はたまた、この先の新しい小屋の姿とは?

DIYライフマガジン『ドゥーパ!』やムック本『小屋を作る本』の編集長・設楽敦さんに、こうした小屋の価値観の変化を伺います。

設楽敦(しだら あつし)さん

『ドゥーパ!』『小屋を作る本』編集長。大学卒業後、バックパッカーとして2年ほど海外放浪した後に、『ドゥーパ!』編集部に入社。自らも小屋づくりや車中泊カスタム、セルフリノベーションなど、さまざまなDIYに挑戦し、企画・執筆も行う。  ドゥーパ!:https://dopa.jp

『ドゥーパ!』『小屋を作る本』編集長。大学卒業後、バックパッカーとして2年ほど海外放浪した後に、『ドゥーパ!』編集部に入社。自らも小屋づくりや車中泊カスタム、セルフリノベーションなど、さまざまなDIYに挑戦し、企画・執筆も行う。 ドゥーパ!:https://dopa.jp


スモールハウスムーブメントによって、日本における小屋の価値観に変化

DIYライフマガジン『ドゥーパ!』やムック本『小屋を作る本』の編集長として、小屋の潮流を見つめてきた設楽敦さん。

『小屋を作る本』の創刊は2015年ですが、それより前の2005年に『ドゥーパ!』で小屋づくりの特集を組んでいたそう。

「当時はもちろん、今のように小屋が注目されていたわけではありません。どちらかと言うと、DIYなど日曜大工好きのお父さんたちの憧れの対象として小屋づくりがありました。小屋という言葉も浸透していなかったので、木の家を表すウッディハウスという言葉を使っていましたね」。



2022年の現在、自宅や仕事場以外の第3の居場所として活用されていたり、家族や友人が集う場所としても愛用されている小屋。

日曜大工を行うお父さんたちの憧れから一転、一般の人にも幅広く愛されるようになったのは、2007年にアメリカで起きたサブプライムローン問題が起因していると設楽さん。 

「1990年代後半にアメリカで、建築家によるスモールハウスムーブメントが提唱され、当時から海外では小さな家で豊かに暮らすことが注目されていました。

そういう背景がある中、小屋が広く認知されるきっかけとなったのは、アメリカで住宅バブルが起こり、買い手市場となったサブプライムローン問題。住宅ローンの金利が下がったため、どんな人でも住宅が購入しやすくなったのですが、バブル崩壊とリーマンショックが続き、2008年には世界同時不況が起こります。

そうすると、これまでのお金のかかる大きな家での暮らしから、小さな家での暮らしに転換する人が続々と出現。本当の暮らしの豊かさを求め、不要なものを手放し、タイニーハウスと呼ばれる小さな家を作って暮らすようになります。

こうした暮らし自体の価値観の変化が世界で起こったことをきっかけに、日本でも小屋での暮らしが少しずつ広がっていったように思います」。

仲間との小屋作りイメージ/撮影:福島章公

仲間との小屋作りイメージ/撮影:福島章公



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