▶︎この記事の画像ギャラリーを見る 男には、黙ってアクセルを踏み込みたくなるときがある。
思い通りにスピードを上げてくれ、ワインディングを理想のラインで駆け抜けてくれる2ドアスポーツカー。それは男にとって道具ではなく、“相棒”と呼べる存在だろう。
ドアが2枚じゃ後ろに人を乗せられない? 荷物が載らない? いいのだ、そんなこと。
100万円台で狙えて、エキゾーストノートとともに車の外でのモヤモヤを吹き飛ばしてくれるのだから。
消滅の危機を乗り越えた「フェアレディZ」
日産「フェアレディZ」(2002年7月〜2008年11月)。中古車価格は約30万〜630万円。
世界中で愛されているZ。一時は消滅の危機もあったが2002年に見事復活した。
ターボなしで280馬力を叩き出すフロントのエンジンをできるだけ中心寄りに積むことや、2シーターとすることなどで、最適な前後重量バランスに整えられた。
おかげでワインディングでは笑ってしまうほど意のままに。
最終的には313馬力まで最高出力は高められ、5速ATはシフトダウン時に自動でエンジン回転数を調整するので、そのたびに“ブゥオン”といい音が鳴る。
スポーツカーに乗ってるなぁ、という気分が高まる、日本が誇る2シーターだ。
トヨタとスバルの名タッグ「86」
トヨタ「86」(2012年4月〜2021年10月)。中古車価格は約65万円〜745万円。
こちらも復活系。スープラ以来途絶えていた「トヨタのスポーツカー」が、盟友スバルの協力を得て2012年に復活した。
スバル製の水平対向エンジンをボンネットの下のほうに置き、後輪を駆動させ、腕に自信がある人なら車を滑らせることもできる。
今や200馬力は大したパワーではないが、だからこそわざわざ山道へ出掛けなくても、街中でもその実力を大いに感じられるのだ。
漫画『イニシャルD』でメインを張った初代ハチロクに劣らぬ楽しさ。スバル製のBRZも基本は一緒だが、味付けが異なるのもまた面白い。
スポーティなエクステリアの「3シリーズクーペ」
BMW「3シリーズクーペ」(2006年9月〜2013年9月)。中古車価格は約25万円〜320万円。
人気の3シリーズセダンの、2ドアクーペ版。なのだが、セダンと同じ外板パーツはわずかにドアハンドルのみ。セダンよりスポーティな外観が与えられている。
トップグレードの335iのエンジンは3Lの直6にツインターボが備わり、最高出力306psと破壊力バツグン。
高回転まで気持ち良く吹け上がるため、つい踏んでしまいたくなるが、あっという間に免許を失うことになるから要注意。
もちろん、BMWらしい“駆け抜ける歓び”が低速からある車。節度のある速度でワインディングを走るだけでも、モヤモヤがスカッと吹っ飛ぶハズだ。
プジョー史上最高!?にしなやかな「RCZ」
プジョー「RCZ」(2010年7月〜2016年12月)。中古車価格は約50万〜350万円。
ハッチバックの308がベースとは思えないほど戦闘的なクーペフォルム。
古くからスポーツカーに採用されている、ダブルバブルルーフ。プジョーの歴史上初めて数字を用いない車名が与えられた、RCZだ。
搭載されたエンジンは308と同じ1.6Lターボ。
ただしこれ、BMWも開発に携わったエンジンで、6速ATもあるけど特に6速MTで回すとチョー気持ちいい。
もちろん“猫足”と評されるプジョーらしい、しなやかなコーナリング特性も備えている。ファミリーカー色の強いプジョーの中で、百獣の王ライオンそのものだ。
雪道からサーキットまで対応できる「メガーヌR.S.」
ルノー「メガーヌR.S.」(2011年2月〜2017年10月)。中古車価格は約110万〜350万円。
ルノーと言えばカングーが有名だけど、忘れちゃいけないのがF1をはじめモータースポーツに超積極的なメーカーだってこと。
そんな同社のモータースポーツ部門を司っていたルノー・スポールの名(R.S.)を冠したメガーヌR.S.は、5ドアハッチバックと異なり、左右にドア1枚ずつのクーペ風フォルムが与えられている。
もちろんエンジンも足回りも、ペダルもシートも何でもかんでも、ルノー・スポールが丹精込めてイジりぬいた。
雪道からサーキットまで対応する5段階の走行モードが備わった、万能型2ドアハッチなのだ。