▶︎すべての画像を見る ホカ オネオネ改めホカが、アイコン的シューズ「ボンダイ」の8代目を完成させた。
8代目「ボンダイ 8」の要諦は、踏みつけ部を押し広げ、トウスプリングを大きくとったマイナーチェンジにある。微差に見えてその差は歴然。一歩踏み出した足は背中を押されるように前へと進む。
「蹴り出しの安定感に重きを置いているところがポイントです。スポーツシューズ業界で安定感といえば、それは踵まわりのことをいっていました。踵まわりは着地の要ですから、もちろんとても大切な部位ですが、その陰に隠れてしまっていたのが踏みつけ部でした。
蹴り出しの接地時間が長ければ長いほど(つまりよほどのアスリートでない限り)、ブレが生じやすい。ここを手厚くサポートしてくれる構造なのです」(シニア フィールドサービス レップ、安藤正直さん)。
コンプレッションEVAにアップデートしたミッドソールも見逃せない。圧縮させることでバウンスのポテンシャルも向上した。
「『ボンダイ』は厚底シューズの嚆矢といわれるホカにあって“最上級のクッション性”を誇るモデルです。歴代のコレクションも申し分がありませんでしたが、別物といわざるを得ないほどに優れていました。
私も近ごろはレースに出る機会は減っていましたが、またレース熱が高まっています。このシューズを履けばまだまだ記録を伸ばすことが可能だと思う」。
安藤正直さんは100マイルレースで4位に入賞したこともある日本有数のランナーだ。写真はデッカーズが年2回行うグローバルボランティアウィーク、アート・オブ・カインドネスの一コマ。安藤さんは「歩いた歩数に合わせて寄付をするプログラム」にランニングで参加し、日本橋から福島県の相馬市まで、およそ350kmにのぼる道程を四泊五日で走りきった。
付け加えるならば、インサイド・ガジェット・タンも8代目の見どころだ。アスリート系シューズのシュータンは激しい動きにもずれないよう両サイドを縫いとめていることが多いが、これがゴロつく。起点となる内側のみとめて、外側を解放することでこのゴロつきを解消したのだ。
100㎞を超えるランになれば、蓄積されるゴロつきの違和感は侮れない。これもまた、小さな変化にみえて、効果は大きい。
「ボンダイ」は2011年に誕生した。8代目ということはほとんど毎年のようにアップデートしてきたことを意味する。“ボンダイの完成形”と胸を張るのは不断の努力の賜物といっていい。
2/3