ヘルシンキ市内最古のパブリックサウナ、コティハルユ・サウナ。「SAUNA」のネオンサインが赤々と光る
当記事は、「Forbes JAPAN」の提供記事です。元記事はこちらから。 ビジネスパーソンたちの間に「サウナ旋風」が巻き起こる以前、2016年からサウナにはまり始めたある人物がいる。サウナアドバイザーの大智由実子氏だ。
この連載は、大智氏が2018年からおよそ1年間、
『花椿』のウェブで連載していた『世界サウナ紀行』の転載であり、サウナに「ハマり始めた」2016年から2019年にかけて、氏が世界のさまざまなサウナを旅した体験記である。
(※書かれているのは、その後に起きた世界的なコロナ禍や、空前のサウナブームが起きる前の体験だ。それだけに、現在はサービス提供を休止したり、営業形態を大幅に変更した施設もあり得る。そこをご承知おきいただいた上で、「withコロナ」の時代、改めて豊かな「withサウナ」の人生を模索するための情報としてお楽しみいただきたい。)
目の前に海や湖があれば直行してダイブ
さてさて。唐突に、なかば強引に始まった『世界サウナ紀行』ですが、第2回はさっそくサウナの本場フィンランドに行っちゃいます。
皆さんサウナというと、こうこうと明るく暑くて狭苦しい部屋の中でテレビ番組を見ながら(日本のサウナ室にはたいがいテレビがついています)汗をダラダラとかいて我慢比べをするもの……とお思いかもしれませんが、フィンランドの本来のサウナは全く違います。
まず、サウナ室の中にはテレビはございません。それどころか、薄暗く、灯りも最小限のところがほとんどです。そして湖畔など自然の中にあるサウナでは、風で木々のゆれる音や小鳥のさえずりなど自然のBGMが流れ、そこにサウナストーブの上にある熱々のサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」をする際の「ジュワァ〜〜〜〜〜」という音が立ち上がります。
あとは、己の身体から汗が湧き出てくる感覚をじっくりと味わいます。五感をフル回転して、自然と一体化した自身の感覚に向き合うのです。しっかりと汗をかいたらサウナ室を出てシャワーで汗を流してから外の風にあたってクールダウンするか、目の前に海や湖があれば直行してダイブします。
そして身体が冷えてきて暖を取りたくなってきたらまたサウナ室に戻ります。この、「温めて、冷やす」という一連の動作をひたすら繰り返します。そうしていると、あれこれ考えていた思考も止まり、身体にジワ〜ッと心地良さが訪れると同時にどんどん五感が研ぎ澄まされていくのです。
写真提供:大智由実子
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