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当記事は「Forbes JAPAN」の提供記事です。元記事はこちら。 世界で3億5000万個を売り上げている「世界的玩具」ルービックキューブ。実はコロナ禍の「巣ごもり需要」で、ネット販売を中心に売れ行きが再燃している。
昨年は、なんと「見る角度によってパネルの色が変わる」という新商品『ルービックキューブインポッシブル』も発売され、最高難度のルービックキューブとして多くの愛好家の間で話題になった。
「攻略本」の伝説的快進撃のすさまじさ
「ルービック」の商品名は、実はハンガリー人建築家のエルノー・ルービック氏の苗字から名付けられたものだ。
ルービックキューブの発明者、エルノー・ルービック氏の自伝『
四角六面 キューブとわたし』(久保陽子訳、光文社刊)によれば、「発明」当時は、各ピースを定位置に留めるためになんと「輪ゴム」を使っていたというから驚きだ。強度と耐性さえ十分ならば、現在もルービックキューブの内部には輪ゴムが入っていた、ということになる。
「攻略本」も数多く出版された。『
四角六面』によれば、中でも1981年に出版されたキューブ攻略本、ドン・テイラー著『ルービックキューブをマスターする──20世紀最高のパズルの解き方』はニューヨーク・タイムズ・ベストセラートップになる。
その3週間後にはジェームズ・G・ナースによる『ルービックキューブのシンプルな解法』が刊行されたが、本書はその年のうちに600万部を売り上げ、版元である米国の大手出版社「バンタムブックス」の36年の社史で最高売上を記録した。
(ジェームズ・G・ナースによる初速で600万部の伝説のヒットセラー。現在では絶版で、たとえばアマゾンの「マーケットプレイス」では、4000円以上の高値で出品されている)
この2冊にとどまらず、1982年1月には、6冊のキューブ攻略本が同時にリストに表示されていたし、キューブに関する本は実に36週連続で米国の書籍売上げリストに入り続けたという。
この伝説的ともいえる「攻略本の売れ方」からも、ルービックキューブが「なんとしてでも攻略したい」という気持ちを持たせる『魔性のパズル』だという事実が、見えてくるではないか。
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