5万6100円/セリマ(グローブスペックス ストア 03-5459-8377) © Al Pereira/Getty Images
[1980s]「ブラックミュージック」この頃、岡田さんはNYのアイウェアショップの店頭に立っていたそうだ。
「正直、怖かった。というのも、 RUN DMC(写真右下)らヒップホッパーに影響を受けた若い世代が幅を利かせていたんです。結構危ない目に遭いかけましたね。
彼らはこぞって、カザールやアルピナという個性的なブランドのサングラスを好んでいました。
危険性がありながらも、尖って勢いのあるカルチャーとアイウェアが結びついていました。非常に面白い時代だったとも思います」。
3万3000円/ロバート・ラ・ロッシュ・ビンテージ (グローブスペックス ストア 03-5459-8377)
[1990s]「デザイナーズブランド」「1980年代までは、アイウェアを作る会社はあくまでメーカー。ブランドではないんです」。そう岡田さんが語るように、’90年代以降はアイウェア専門のデザイナーズブランドが脚光を浴びる。
「先駆者となったのは、フランスのアラン・ミクリでしょう。作り手の情熱が反映されたデザインは、ヴィンテージを今見てもやはりユニークです。
上の赤いメガネは、ウィーンのロバート・ラ・ロッシュが手掛けたもの。フレーム上下の切り替えなど、実に個性的です」。
5万1700円/ロバート・マークNYC(グローブスペックス ストア 03-5459-8377) © Ronald Siemoneit/Getty Images
[2000s]「フューチャリスティック」『マトリックス』(写真右下)や『ターミネーター3』など……。2000年代の前後は世紀末思想も相まり、全世界的にフューチャリスティックに彩られていく。
「映画の印象は強く、アイウェアシーンにも影響を与えています。顔に巻き付くようなハイカーブに、ミラーレンズを組み合わせてみたり。
上のモデルのようなミラーレンズはそれまでサーファー的なイメージが強かった。ですがこの頃のミラーレンズはより近未来的で、武装のニュアンスを含んでいると思います」。
9万2400円/ゲルノット・リンドナー(グローブスペックス エージェント 03-5459-8326)
[2010s]「新・クラシック回帰」そして現代までつながるのが、クラシックなアイウェアを再評価する流れ。もっとも前述のとおり単純な復刻ではなく、いかにアレンジを加えるかが“新たな”クラシックの肝だ。
「例えばクラウンパントゥ型はその代表。これはゲルノット・リンドナーがスターリングシルバーで表現したもの。
19世紀以前のモデルのようにヒンジが内側に反っていたり、テンプルエンドの滑り止めに刻みの装飾が施されていたり。一見普通に見えて、アレンジのこだわりがすごい」。