Day 13 SAT.
グッバイ、バッドスメル。ハロー、新品の香り。アロマの霧が、履き古したオッサン靴に起こす奇跡
スプレー9900円/オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(ビュリージャパン 0120-09-1803)、Tシャツ1万5400円/ディセンダント www.descendant.jp、ショーツ8580円/ジムフレックス(ビショップ 03-5775-3266)、サンダル2万4200円/ビルケンシュトック(ビルケンシュトック・ジャパン 0476-50-2626)、ニット帽6490円/キャル オー ライン(ユナイト ナイン 03-5464-9976)、腕時計70万4000円/ブライトリング(ブライトリング・ジャパン 0120-105-707)、右のブーツ4万1690円/レッドウィング(レッドウィング・ジャパン 03-5791-3280)、スニーカー5170円/ヴァンズ(ヴァンズ ジャパン 03-3476-5624)、手に持ったスニーカーは私物
静かな土曜日の朝、ランニングに行こうと玄関へ向かった。が、自分の靴が一足も見当たらない。
おかしいと思ってドアを開けると、スニーカーはすべて外に並べられていた。常日頃からユースケの靴のニオイを嫌がっているメグムの仕業に間違いない。
「いくらなんでも、父親の靴を外に出すなんてヒドイ」とショックを受けたものの、嗅いでみるとこれがなかなかのバッドスメル。靴の手入れはマメにしているものの、やはり染みついたニオイは取れないのだ。
そこでユースケが取り出したのはビュリーのスニーカー用スプレー。マリアがくれたマスク用シールをきっかけに、このブランドにドハマりし、コレもいつか役立つはずと買っておいたのだ。
これはそんじょそこらの香りづけのスニーカー用スプレーではない。プッシュすると、最新技術によってマイクロカプセル化された香り成分がスニーカーを包み込むことで、爽やかな香りを長時間キープする。
しかも、その香りはスニーカーヘッズの間で、某有名スニーカーブランドの新品時の香りにそっくりだともっぱらのウワサ。「こりゃあ、確かに下ろしたての、あのスメルだぜ……」 。
夢中でクンクン靴の中を嗅いでいるユースケの背中を、いつの間にかメグムが冷たい目で見つめていた。