Day 9 TUE.
高感度な雄たちが集う摩天楼。身なりのだらしないヤツは指先ひとつでダウンさ
Tシャツ9900円/アールアンドティー(ネペンテス 03-3400-7227)、シャツ2万8600円/ノミアモ(ビームス 六本木ヒルズ 03-5775-1623)、パンツ4万2900円/アスペジ(トヨダトレーディング 03-5350-5567)、メガネ2万2000円/スティーブン アラン(スティーブン アラン シンジュク 03-5321-9970)
今日はニューヨークの支社長と早朝オンラインミーティング。とはいっても、支社長はユースケが新入社員の頃の先輩。
胸にメッセージがデザインされたピンクのTシャツに、カーディガン感覚で羽織れるベージュのシャツジャケットという上品リラックスな出で立ちにも、ふたりの気の置けない間柄がうかがえる。
そしてお洒落や身だしなみへの深い造詣を持つこの先輩は、ユースケの憧れの人物でもあった。ニューヨーク支社に赴任の内々定が出たことを報告すると、自分のことのように喜んでくれた。
「僕もNY州でM&A専門の弁護士を目指しちゃおうかな!(笑)」などと軽口を叩くユースケに「ただ、東海岸のビジネスパーソンにはメトロセクシャルが多いから、身だしなみには気を使えよ」 とピシャリ。
「めとろせくしゃる? そんなセクシーな地下鉄ありましたっけ?」 「……外見やライフスタイルに強い美意識を持って、時間とお金を注ぎ込む男性のことだ。肥満体型は自己管理のできない人間だと、ダメ人間の烙印を押される。本場のは手厳しいぞ。例えば……」 。
モニター越しに先輩から矢継ぎ早に指摘が入る。「眉毛が数本伸びているぞ。爪の甘皮も手入れしろ。それからそれから……」 。
ダメ出しの北〇百裂拳に、ユースケはただただ立ち尽くすしかなかった。あたたたたー。