▶︎すべての画像を見る 名物企画・
部長びんびん“着回し”物語の番外編、「部長びんびん“美顔・美ボディ”物語」開幕!
コロナ禍がスタンダードとなった現在、ズボラな性格が悪い意味で炸裂。テレワークの日々でルックスへの関心は薄れ、身だしなみや健康維持に費やす時間は皆無となっていた。
そんなユースケに突如としてニューヨーク行きの話が持ち込まれる。
「こうしてはいられない」と、臭い・醜い・精神状態が危ないの三拍子揃ったヤバゴリラに変わり果てた自分を奮い立たせ、31日間のウェルネスブートキャンプに身を投じるユースケを待ち受けていたものとは......。
Day 1 MON.
神々の天啓降り来る。オレは日本一Tシャツが似合うニューヨーカーになる!
平山ユースケ(47歳)●“附属上がり”の名門私立大学出身で、大手総合商社・亞藤忠物産の繊維部門で部長として勤務する。一見、几帳面に見えるが実はズボラなO型男子。NY赴任のチャンスをモノにすべく一念発起、肉体改造にチャレンジする。Tシャツ7590円/キャル オー ライン(ユナイト ナイン 03-5464-9976)、パンツ2万4200円/スリードッツ(スリードッツ青山店 03-6805-1704)
「お届け物で〜す……ヒエッ!!」。最近、玄関で宅配便を受け取るとき、決まって配達員がユースケの顔を見て声にならない声を上げる。犬の散歩のときに会った近所のおばさんも同じような反応だ。
「メグム、オレってそんなに有名なのかな。もしかしてインスタのせい?」 「えっ? パパのフォロワー29人じゃん。その顔だって、顔!」 。
そう言ってメグムが差し出した手鏡に映っていたのは……髭も髪もボーボー、顔も脂ぎってむくんだ中年男の顔だった。
「もうゴリラじゃん! 群れを追われた放浪ゴリラ」 「そんなこと言うなよ、最近ずっとテレワークでこもりっぱなしなんだから。それに服装はちゃんとしてるわ!」 。
このTシャツを選んだのは、ビビッドな赤のボディと大胆なロゴ使いでテレワークのテンションを上げようという目論見から。
「でも、お腹ポッコリ出てるよ。昔はTシャツ姿、めっちゃカッコ良かったのにねぇ……」 。メグムの言葉がユースケの胸に突き刺さる。
さらにイヤな予感も脳裏をよぎる。実は今、以前より念願だったニューヨーク支社に転勤の内々定が出ているのだ。ただ、それを確実なものにするには本部長との面談を無事にクリアしなければならない。
「そういや、あそこはめちゃくちゃ身だしなみにやかましいらしい。こんな風体じゃ取り消される可能性も……。
よっしゃ、オレは生まれ変わって絶対にマンハッタンへ行くぞ。そして娘にもう一度、格好イイTシャツ姿を見せてやるんだ!」 。
ユースケは雄叫びを上げた。
2/2