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2022.05.27

ライフ

男性不妊専門クリニックを渡辺真史が訪問「気軽に訪れる方が増えるのを期待しています」

訪れたのは渡辺真史●1971年、東京都生まれ。ベドウィン & ザ ハートブレイカーズのディレクター。ローカルとインターナショナル、2つの視点で東京をクルージング。

訪れたのは渡辺真史●1971年、東京都生まれ。ベドウィン & ザ ハートブレイカーズのディレクター。ローカルとインターナショナル、2つの視点で東京をクルージング。


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恵比寿駅西口から程近く。男性不妊専門の恵比寿つじクリニックを訪れ、副院長を務める生殖医療専門医の助川玄先生に話を聞いた。

渡辺 こんにちは。せっかくの休みの日にお邪魔しちゃってごめんね。

助川 いえいえ。お久しぶりです。

渡辺 この医院に移ったのは9年前?

助川 はい。がん研有明病院の泌尿器科に勤めていたとき、抗がん剤の影響で精子が作れなくなるといった男性不妊の実情に触れていて。何とかしたい、という想いは以前からありました。

渡辺 僕の母親ががんで入院した際は、お世話になりました。そもそも別の科の担当医なのに、親身になってくれたことが救いで。母親は(助川)玄ちゃんを実の息子のように可愛がっていたね。

助川 共通の知人である(野村)訓市さんのご紹介でしたが、以降は家族ぐるみで良くしていただいて。お母さまは将来的な相談にも乗ってくださり、それが転職のきっかけかもしれません。



渡辺 がん研では死と闘い、このクリニックでは生と闘う。その変換って、ある意味で自然なことなのかな。

助川 そうですね。遠いようで近い。

渡辺 ともにシリアスなことだけど、不妊は社会問題にもなっているよね。患者さんは何歳くらいの方が多い?

助川 30〜40代が中心ですが、最近は若い方も増えています。僕たちくらいの年齢は、残念ながら無自覚な人が多いようです。また、心のどこかで不妊に対して構えてしまい、プライドもあってか素直になれない。現状、子づくりを頑張っているということすら言いにくい社会の風潮が少なからずあります。

渡辺 確かに、どこか不自然にタブー視されている気がするよね。

助川 その点、若年層のほうが柔軟だと思います。彼女と結婚する前にブライダルチェックを希望される方も。

渡辺 素直で、まさしく健康的だね。具体的にはどんな診療をしているの?

助川 精液検査、精索静脈瘤手術などさまざまです。直接的な治療だけでなく精神面のケアも大切です。とにかく、できるだけのことをやってあげたい。

渡辺 なるほど。玄ちゃんは物腰が柔らかくてフレンドリーだから、患者さんも話しやすいんじゃないかな。いずれにせよ、男性不妊についてもっとみんな真剣になるべき。とはいえ思い詰めないで、まずは気楽に相談から始めてみるのがいいと思う。

助川 院での診察のほかYouTubeで不妊治療の啓蒙もしているので、ぜひご覧いただきたいです。今年4月からは不妊治療への保険適用も始まりますし、気軽に扉を開いてくれる方が増えるのを期待しています。

——休診日だったこの日の装いは、ベドウィン & ザ ハートブレイカーズのブルーデニムに青のカシミヤニット。柔らかな日の当たる院内での、爽やかな笑顔も印象的だった。
「恵比寿つじクリニック」
住所:東京都渋谷区恵比寿南1-14-10 福隆ビル3F
電話番号:03-5768-7883
営業:10:00〜19:00 水・木曜定休 ※診察時間はHPにて。
instagram@ebisu_tsuji_clinic


若木信吾=写真 増山直樹=文

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