電力によってラクに自転車を漕ぐ。いわゆる電動ママチャリ的な進化とは一線を画す超ハイテクな自転車が出た。
キャノンデールの「シナプス」である。
84万7000円/キャノンデール www.cannondale.com/ja-jp
あれ、意外と普通。
そうかもしれない。けれど正しくは、これだけのスペックを搭載して一見普通にまとまっているのがスゴいのだ。
数年前まで一般的なロードバイクに乗っていたけど最近はご無沙汰だった身からすると、このシナプスでの乗車体験は浦島太郎級の驚きだった。何で“浦島った”のか。お伝えしよう。
夕方から夜にかけての試乗体験。
もう、振り返らなくていい⁉︎
シナプスは、自転車に乗っているときに後方確認で振り返る時代にピリオドを打ちたいらしい。
画面右端の赤い点が自分、白い点が迫ってくる車だ。アプリをダウンロードすればスマホでOK。
なんと、後方から迫る車の存在を、ハンドルに付けたアプリを搭載したデバイスを通じて教えてくれるのだ。
しかも、スピードの速い車は赤く表示され、アテンションしてくれる。なんなら台数まで教えてくれる。
点滅するリアライト。
それだけではない。サドルに付いたリアライトはブレーキと連動し、自転車の減速とともに点滅。自分の存在をアピールしてくれる。もはや、車のブレーキランプと同じである。
ペダルを回すだけで勝手に起動
“もはや、車と同じ”なのは、ほかにも。前述の前後のライトなどは、自転車にまたがってペダルをくるっと回すと自動で起動。
ワンタッチ(というかワンキック)ですべてが走り出せる状態になり、それぞれのパーツをいちいちスイッチオンする必要がない。
これは小さいけれど、超便利。日常的に自転車ライフを送りたい人の手間を省くありがたいスペックである。
充電の手間いらず
これらのスペックはすべて、シナプスの脳みそである「スマートセンス」が司る。どこに付いているのかというと、ここ。
スマホよりも小さい「シナプス」の心臓部。
フレームの下のほうで、サイズは一般的なスマホよりも小さいくらい。驚くほどのコンパクトさで、見落としてしまうほどだ。
イメージムービーのエンディングより。
こいつが賢いうえに、ここからの給電であらゆる機能が起動するので、充電もこいつだけしておけばいい。それでいて、走行ログなどのデータはすべてスマホに送ってくれる。最大900時間のライドデータが蓄えられるというから驚きだ。
乗り心地は魔法の絨毯級
ロードバイクはタイヤが細くて不安。機能が備わった分重そう。ごもっともな指摘かもしれないが、どちらも杞憂。
タイヤは35mm幅まで対応し、ロードバイクに乗り慣れていない人でも安心だ。
ちなみにロードバイクは25mmほどのタイヤが一般的。タイヤが太くなれば安定感は抜群かつ、トレイルなど走行シーンの選択肢もグッと広がる。
サイズ56で重量は9.55kg。
でも、タイヤを太くして機能が増えたら漕ぎ心地は重くなる?はい、普通はそう。でもシナプスは普通じゃない。メチャクチャ軽いのだ。各種パーツの軽量化とカーボンフレームのおかげで、一般的なママチャリよりもかなり軽い。
これによる乗り心地を、メーカーは「魔法の絨毯」と表現する。
と、このように、すべてが異次元の自転車がキャノンデールのシナプスである。実際に乗ったのはたったの4km。時間にして15分ほど。
スマホのアプリにログが残る。
でも、感動の量は莫大だった。もしもあなたが「自転車はご無沙汰」組ならば、同じく浦島体験できるはず。この感動をぜひ、共有したいっ!
[問い合わせ]キャノンデールwww.cannondale.com/ja-jp