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頻繁に起こる頭痛と、頭痛薬にも要注意


――生活習慣病をすでに抱えている場合は、気にかけておくべきですね。


糖尿病がある方は「糖尿病性腎症」、高血圧がある方は「腎硬化症」のリスクが高まります。また高血圧がある方では頭痛が頻繁に起こることもありますが、その場合は決して自己判断で薬を服用せず、きちんと医師の診察を受けてください。

――常備している市販の頭痛薬は、危険でしょうか?

頭痛をやわらげる痛み止めにもさまざまな種類がありますが、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)という種類の薬にも腎臓に負荷を与えるものもあります。

つまりすでに腎臓が弱っている場合、薬の種類によっては、さらに状態を悪化させてしまう恐れがあります。必ず医師の診察を受けて、自分の体に合った薬を処方してもらうことが必要です。


悪化すると回復が望めない腎臓病。毎年の健康診断が鍵に



――腎臓病は、たくさんの病気と関連しているんですね。

その通りです。腎臓病も生活習慣病も、健康診断と血液検査の結果からその兆候を知ることができます。腎臓病は早めに手を打つことが大事なので、年1回は必ず受けるようにしてください。

――腎臓病になると、回復することはないということでしょうか?

慢性腎不全になると、腎臓をもとの状態に回復させることはできません。しかしそのような状態になる前に治療を開始すれば、腎臓機能の低下を防ぎ、進行を遅らせることができます。

――いまある腎臓を守るために、今日からできることはありますか?

なにより健康的な食事と、適度な運動が大切です。塩分の摂りすぎには注意しながら、適量をバランスよく食べ、肥満を防いでください。

またすでに中等度以上の腎機能の低下が指摘されている方は、タンパク質の摂りすぎにも要注意です。タバコもやめておきましょう。

 ――筋トレ後のプロテインがルーティンなのですが、危険でしょうか?

過剰な摂取はおすすめできません。摂りすぎにより余ったタンパク質は体内で分解されますが、その際に毒素を発生させます。この毒素は尿に変えて排出する必要がありますが、その毒素が多いほど、腎臓に負担をかけることになります。何事も、ほどほどを心がけましょう。

――腎臓病の予防には、健康的な日々の積み重ねと、自分の体を定期的に把握しておくことが重要ですね。

腎臓病は歳を重ねるに連れて生じやすい病気のひとつです。一生添い遂げる体なので、常にいたわりながら、大切にして過ごしてほしいと思います。


突然死や寿命にも大きく関与している腎臓病。大切な人たちと1日も長く過ごすためには、毎年の健康診断の受診に加えて、体に宿るわずかなサインにも目を光らせるべきである。

長瀬瑠美奈=取材・文

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