現在、国内を走る車の約5割が「白」なのだという。
「ポルシェ」の911カブリオレ(マイアミブルー)。言わずと知れたポルシェ911の、一部で人気だったスペシャルカラーが「マイアミブルー」だ。光に当たるとわずかに入った緑色が輝く、ユニークな青だった。ただし、現在はカタログ落ちしているので、あしからず。1654万円〜。
次いで多いのが「グレー」の約2割なので、日本では全体の約7割の車が「無難な無彩色」ということになる。
街の景観という観点からすると由々しき事態だが、ひと筋の光明はある。
このところ車界では「青」が人気上昇中なのだ。
「ニッサン」のGT-R(ワンガンブルー)。日本が世界に誇る最強スポーツクーペは、2020年モデルから「ワンガンブルー」を採用。R34型スカイラインGT-Rで人気だった「ベイサイドブルー」のオマージュで、「水銀灯の下での美しさ」を徹底的に追求しているのが面白い。1082万8400円〜。
ドイツの化学メーカー、BASFによれば、世界的に見ても需要が高いカラーは白だが、有彩色で最も多いのは青。
爽やかさと「クリーンなテクノロジー」のイメージがあるブルーは、車にも纏いたくなる色なのだ。
特に近年は顔料の技術が向上したことで「多彩なブルー」を再現できるようになったことも、その人気の理由だ。ここではその一部をご紹介。
「スバル」のBRZ(WRブルー・パール)。スバルとトヨタが共同開発したFRスポーツ。その「WRブルー・パール」は、文字どおりWRC(世界ラリー選手権)に参戦していたマシンと同じ青なのだ。ただし若干の赤みを加え、より鮮やかで色濃く見えるブルーになっている。308万円〜。
街や美しい空に映えるブルーは、どこで乗っても、見ても、爽やかな気分にさせてくれる。
せっかくの愛車を無難にまとめるのもいいけれど、これくらい遊びが利いていたほうが粋だと思うのだ。