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磨くべきなのは問題解決能力ではないか




もし、そのようなことなのであれば、解決の仕方は変わってきます。向上させるべきは決断力などではなく、問題解決能力です。

例えば、複雑な問題の構造を探り因果関係を理解する力、少ないデータからも将来を推測するデータ分析能力、経営学や組織論や心理学などの普遍的に通じる原理原則に関する知識、抱えている問題を解決することに役立つ世の中にある手段(ソリューションサービス)についての知識などなど、問題解決能力を構成する要素は多様にありますです。

が、自分にとってどんなものが必要かを吟味して、一刻も早く学習するべきです。そうすれば、決断力などなくとも、問題はどんどん片付けられることでしょう。

管理職の皆さん、もっともっと勉強しましょう

若いうちは指示されたことを現場でパワフルに推進して成果を出し、それが認められて昇進し、管理職になった人も多いのではないでしょうか。

最前線の社員であった際には、誰かが決めた方針に沿ってとにかく前向きに進んでいくことで十分だったかもしれませんが、昇進して管理職になれば自分で方針を考えなければならなくなります。

そこに必要なのは能力開発=勉強です。ところが遠く学生時代から離れた中高年の管理職の中には、勉強することを忘れてしまった人もいます。楽天ブックスの調査によると、残念ながら6割近くの管理職が月に1冊も本を読んでいないようです(ちなみに若手社員は7割近くが読んでいません)。

これでは管理職が難しくなった問題を解決できないのも無理はありません。読書が勉強のすべてではありませんが、とにかく管理職の皆さんはもっと勉強しましょう。

勉強して、考え抜いて、それでも判断軸がわからなければ、ようやく経営としての決断力が必要な場面がやってくるのです。


グラフィックファシリテーター®やまざきゆにこ=イラスト・監修
曽和利光さんとリクルート時代の同期。組織のモヤモヤを描き続けて、ありたい未来を絵筆で支援した数は400超。www.graphic-facilitation.jp

「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは……
組織と人事の専門家である“そわっち”が、アラフォー世代の仕事の悩みについて、同世代だからこその“寄り添った指南”をしていく連載シリーズ。好評だった「20代から好かれる上司・嫌われる上司」の続編である。
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曽和利光=文

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