OCEANS

SHARE

④ ライフスタイル・カーの先駆け

1989年にデビューした初代スバル レガシィは、自動車史に残るエポックメイキングなモデルでした。

それまでの車の評価基準は、速いとか遅いとか格好いいということ。でもレガシィは違いました。荷物をたくさん積めて乗っている人がくつろげる広い室内や悪天候でも安心してどこにでも行ける四駆システムなど、車が主役ではなく、乗る人が主役だったのです。

レガシィは、「ただスペックの高い車」ではなく、「人の生活を豊かにする車」でした。今でこそライフスタイルという言葉を当たり前に使いますが、レガシィはライフスタイル・カーの先駆けだったといえるでしょう。

まもなくデリバリーが始まる新型スバル レガシィ アウトバックも、人間を中心に開発されたモデルです。

見晴らしが良く、運転席からの死角をなくすように配慮したデザイン。ゆとりのある室内空間。そして、スバルとポルシェしか量産しなくなった水平対向エンジンのスムーズな回転フィールが、ドライバーの心を潤します。

水平対向エンジンは重心が低いので、足回りを硬くしなくてもスポーティに走るという利点もあります。従ってこの車は、気持ち良い走りと乗り心地の良さを両立できるのです。

スバル自慢の四駆システムや高度運転支援システム「アイサイトX」が装備されるから、安全性能はピカイチ。エライのは車じゃなくて人間だという明確なメッセージが伝わってきます。

モータージャーナリスト
サトータケシ
フリーランスのライター/エディター。26年も愛用しているブライトリングのコルトをスタジオ ブライトリング銀座に持ち込んでメンテナンスを依頼したら神対応。大いなる感銘を受けたとか。

⑤ 更新したくなる一台

昔からキャンプやカヌー、登山など一年を通してアウトドアに触れる機会が多かったので、その相棒としてぴったりな大きいSUVを愛用していました。

普段からキャンプ道具は基本荷台に積みっぱなしにしているので、どうしても積載量は外せない条件だったんです。そして7年前に気分転換も兼ねて、10年間乗ったマイカーを買い替えようと決心した際に、さまざまなメーカーのSUVを試乗し、その結果たどりついたのがスバルのアウトバックでした。

どんな悪路も走破するタフな造りと十分な積載スペース、そして武骨ながら北欧テイストなデザインも気に入ったポイントでした。

もう今後買い替えることはないだろうと思えるくらい満足していたんですけど、最近発表された新型モデルを見たときに、その考えが覆されてしまいました(笑)。

実際にディーラーで試乗車に乗らせてもらったのですが、乗り心地はもちろんのこと、デザインや機能面、装備など、どれをとっても完璧で申し分なし。運転時には今まで以上にラグジュアリーなムードも感じられて、今の僕のライフスタイルや気分にもぴったりだなって。

アウトバックから違う車に乗り替えるつもりはないですけれど、その時々での環境などに合わせてアップデートしていくのもアリなのかなって思うようになりました。

コロナ禍が落ち着いたら、またアウトバックと一緒に富士五湖あたりまでキャンプに行きたいですね。



ビームス バイヤー
梨本大介
 B印 ヨシダのディレクターを務めたのち、現在はビームスのバイヤーに。最近では自身が傾倒するアウトドア関連のバイイングも担い、プライベートでは東京と屋久島での2拠点生活を満喫。

⑥ ワゴン人気復活なるか!?

アウトバックという車は、その昔、レガシィ グランドワゴンと呼ばれていました(その後はランカスター)。

レガシィ ツーリングワゴンの派生モデルで、車高をSUVのように上げていた。アメリカでは高い走破性を誇るSUVスタイルのステーションワゴンを特にグランドワゴンと呼んだので、それがそのまま車名になった。

つまり、完全にアメリカ市場を意識した商品企画でした。

荒れた農地を走ったり、大きくて浅い川を渡ったりするのに便利。アメリカ中部の農家で便利に使われているイメージですね。

レガシィも含めてメイン市場は今でもアメリカ。だからボディサイズはどんどん大きくなって、本当にSUVのような風格を備えるようになった。

上へ横へと巨大化する一方のSUVに対して、程良いボディサイズ(Limited EXの場合、全長4870×全幅1875×1675mm)のSUVとして扱える魅力がアウトバックの持ち味といえるでしょう。

乗用車感覚でドライブできるSUVとして欧州でも再評価されつつあるカテゴリーなので、アウトバックによるワゴン人気復活もあり得るかもしれません。

ちなみにかつては大人気だったレガシィ ツーリングワゴンは今はなく、B4の名が与えられていたセダンも2020年に生産を終了した。これもまた時代の流れということなのでしょう。

そういう意味ではこのアウトバック、伝説のツーリングワゴンを今に継承する存在でもあるのです。

モータージャーナリスト
西川 淳
フリーランスの自動車“趣味”ライター。得意分野は、スーパースポーツ、クラシック&ヴィンテージといった趣味車。愛車もフィアット500(古くて可愛いやつ)やロータス エランなど趣味三昧。


野村優歩=文

SHARE

次の記事を読み込んでいます。