ファッションの世界でも、昨年賑わせた東京2020オリンピック・パラリンピックでも、今ひと際注目を集めているのが、アーバンスポーツとそこから派生するストリートスタイル。
昔取った杵柄で、ストリートへの思いを再燃させている大人も少なくないだろう。
アクティブな趣味として市民権を獲得しつつある、スケートボードやBMXといったアーバンスポーツ。これらを仲間と共に楽しむ大人に似合うのが、トヨタの新型「ヴォクシー」である。
唐突に思えるかもしれないが、知れば誰もが納得するその“トリック”を解説しよう。
ストリート的感覚は、大人にも、ミニバンにも必要だ
’90年代に一世を風靡したストリートスタイル。あれから20年以上の時が流れた。
当時若者だった俺たちもずいぶんと大人になった今、カウンターカルチャーを超えて、本流として生み出しているストリートスタイルの風は、現代の若者も巻き込んで、大きなムーブメントを生み出しているのは間違いない。
今では、’90年代を牽引した「裏原系」ブランドの古着たちが相当な高値をつけているとも聞く。そして、都心のスケートパークはこれまでにない賑わいを見せているとも。
ただ、30年近くスケートボードやBMXで遊び続けている自分たちにとって、そんなブームはどこ吹く風。若い子のようなトリックは決められないかもしれないけど、ストリートへ思いならまだまだ負けない。
年を重ねて、あれこれと考えなきゃならない面倒も増えたけど、この時間だけは変わらない。仲間と楽しむアクティブな時間は、日常に追われる大人にこそ、代えがたいものとなる。
そしてもちろん、仲間と“いい時間”を過ごすためには、“いい移動”のための脚が必要だ。
昔からの仲間と一緒に乗れて、デッキもバイクも積める。もちろん、快適な移動を約束してくれ、エクステリアのデザインも洗練されていなくては。
となれば、やっぱりミニバンは便利だ。そこで気になるのが、最近登場した新型「ヴォクシー」。
8年ぶりにフルモデルチェンジを果たし、そのデザインはストリート系な大人の食指もくすぐる。真っ先に触れたいのが、フロントマスクだ。
初見は、大胆なグリルのデザインに目を奪われるが、よく見ると、その上に一本のラインのように配置されたクリアランスランプが何よりシャープ。
マッシブな見た目の中に、ただ重厚なだけでない“トガり”を溶け込ませている。
そう、大胆さと繊細さ、相反する両者を備える点も、アーバンスポーツの魅力に重なっていると思う。ストリートなグラフィティも洗練されたシルバーアクセも好む、そんな感覚に近いかもしれない。
一方、ボックス感をキープしながら流麗さも感じるサイドラインは、クルーザーで街を流すときの風のようでもある。
横から見ても一目でそれとわかる、余分な線のない一枚板を成形したようなフォルムも、立体感のあるホイールデザインも、クールな印象をより高めている。
前から見ても、横から見ても、落ち着きだけじゃない、ちょっとエッジィでクールな面構え。
そんなストリート的感覚が、やっぱり大人にもミニバンにも必要なのだ。
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