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スエードの汚れは、ヤスリで削り落とす


準備したアイテムは、スエード手入れ用のブラシ、紙やすり、防水スプレー、そしてワックスだ。


最後にブーツの定番素材・スエードのメンテナンスを簡単に紹介しよう。毛足のあるスエードは汚れがつきやすく、自分でクリーニングをするには厄介な素材だ。ドレスシューズよりも汚れやすいので、十分注意が必要になる。

スエードの手入れ まずはスエード用の金ブラシで毛足を起こして汚れを掻き出す。


紙やすり 続いて、紙やすりで細かい汚れをとっていく。


「しっかりとしたケアのタイミングは、毛足が潰れて黒ずんでいたり、素材が硬くなったら。まずはスエード用の金ブラシで寝てしまった毛足を起こします。80番手くらいの紙ヤスリで削ると、だいたいの汚れをキレイに落とすことができますよ」。

細かい目の紙ヤスリで削るとスエード特有の凹凸が失われてしまう場合があるため、必ず80番手を目安に粗いヤスリを使用すること。

なお、このブーツはシャフト(筒の部分)の革がやや固かったため、ブーツの内側からオイルを入れた。スウェードはスムースレザーと異なり、表面から浸透しにくいため、オイルを入れる方法は工夫する必要があることを覚えておこう。

防水スプレー

「最後に、防水スプレーを少し離した距離からまんべんなく吹きかける。乾いたら、白馬毛でブラッシングをして終了です」。

スエードは天候に関係なく、定期的に防水スプレーをかけて汚れの付着を防止することが長持ちの秘訣だという。

愛情を持って履きこんだブーツと、ただ型崩れしたブーツでは、まったく印象は異なる。基本のメンテナンス方法を知ることが、理想的なブーツへの近道。キズや色ムラも愛しつつ、自分だけの一足へと育てていきたい。


[お話を聞いた人]
松浦 稔
1977年生まれ。電気系のエンジニアを経て、靴修理の世界に足を踏み入れた異例の経歴を持つ。5年間の修行後、2007年に靴修理・カスタム店「ブラス」をオープン。2012年に発表したオリジナルブランド「CLINCH(クリンチ)」のプロデュースも手掛けている。



ブラス
住所:東京都世田谷区代田5-8-12
電話番号:03-6413-1290
営業時間:12:00〜20:00
定休日:水・木
www.brass-tokyo.co.jp


小島マサヒロ=撮影 長浜優奈(EditReal)=取材・文

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