ストレート、スリム、ブーツカット……我々のカジュアルスタイル史は、はいてきたデニムの変遷を追えばある程度わかるだろう。いい大人になった今なら、スラックスタイプの1本が候補になる。
ここで選んだのは、太腿にゆとりを持たせたインディゴモデル。ステッチも同色で統一しているのでネイビースラックスみたいな存在だ。半袖シャツにサーマル風のニットを重ね着した昔ながらのデニムスタイルも、どこか大人っぽい。
カシミヤ、シルク、リネン、コットン。強くなってきた陽射しに映えるピンクのニットには、気持ちいい素材のオールスターが集まっている。その極上の着心地は改めて語るまでもないが、襟元のV字ガゼットや手洗いなら自宅で洗濯できるメンテナンスの容易さが、カジュアルな付き合いを認めてくれる。だから、コットンショーツでラフな日にもこうやって。これで飲むビールもまた格別。
清水健吾=写真 菊池陽之介=スタイリング TAKAI=ヘアメイク