おもしろさとまじめさ。かつての某テレビ局のキャッチフレーズではないが、どちらも一辺倒では深みに欠けるもので、両者の振り幅があるほど魅力的に映るのだと思う。
ともすると偉く思われる40代だからこそお茶目感も大切だし、一方で年相応のきちんと感がないと、お茶目がスパイスとして効いてこないのだ。
というわけで、着慣れた定番品による、その両極アレンジを紹介したい。ひとつは出落ち失礼! おもしろ系はヴァンズの「オーセンティック」のカンフーアレンジだ。
こちらはなんと東京・渋谷のスニーカーショップ、ビリーズとのコラボ作。レースをチャイナ風ループボタンに変更し、ソールサイドには掛け声が! 普段着に合わせやすいブラックで、よく見なければわからないアレンジというのもいい。
もう一方のまじめ系は英国ニッター「ジョン スメドレー」の、フィット感を変更したど定番のクルーネック。
数年に一度行う定番のシルエット見直し。現代的な洋服とも合わせやすさを考慮して、少し身幅をゆったりとアレンジしている。
定番の30ゲージよりも粗い24ゲージで厚みを出し、ストレートショルダーと呼ばれる縫い代の少ないつなぎを肩部分に採用したことでより滑らかに。上品さを損なわずに、時代性を加味した新しいスタイルは新鮮だ。
清水健吾=写真 柴山陽平=スタイリング 髙村将司=文